次に、

何度も言いますが、今、日本で、ちゃんとした唯一のジャーナリズムと言っても過言ではない週刊朝日2010年9月17日号から、論者の意見を見てみましょう。

マスコミを敵に回す首相は国民にとっては悪くない
作家 元外務省主任分析官 佐藤優

 外交で大切なのは指導者同士の個人的な信頼関係とビジョンです。さらに、たとえ荒唐無稽に映るビジョン、未来像であっても「絶対に実現する」という執念があることです。
 2人とも理想のリーダーとは思いませんが、当面の日本外交の担い手としてどちらがふさわしいかといえば、小沢さんに一票を投じざるを得ないでしょうね。
 菅さんは自著で「政治に夢や理想を求めてはいけない」と書いていますが、外交政策でも外務官僚の言いなりで、外務省報道官のブリーフィングを見れば日本外交の分析が済んでしまうほどです。
 しかも、ビジョンがないまま、浮上した問題に小手先で対応するから、数々の誤算が生じる。
 例えば、韓国併合100年の首相談話で、謝罪対象を韓国に限定し、北朝鮮を排除しました。北朝鮮の心証を害するデメリットを考慮したのでしょうか。
 対口外交でも汚点を残しました。ロシアは今年、日本が第2次世界大戦の降伏文書に調印した9月2日を記念日とし、「対日戦勝利」の記念行事を祝いました。なぜ、日本政府は抗議しなかったのでしょうか。
 一方、小沢さんは、例えば北方領土問題では、解決に向けた展望と情熱を持っています。念頭には現実的4島返還論の「2+2方式」があるのでしょう。私はモスクワ駐在時に小沢さんの訪ソのお世話をしたので、よく知っています。
 東アジア外交への目配りも行き届いています。中国とのパイプが太いのはご承知のとおりですが、韓国、朝鮮籍の人が大半を占める在日永住外国人への地方参政権の付与に積極的なので、日韓、日朝関係の融和にも
プラスです。
 外務省に小沢シンパが多いのも強みでしょう。国連中心主義を唱え、やや強引にも思える手腕は外務省から好感をもたれています。これまでも秘密電報や書類の提供を受けてきたし、官房副長官時代は外務省職員が秘書にあてがわれました。
 「小沢担当」の官僚が今、省内で要職に就いている点でも機は熟しています。
 また、小沢さんがマスコミを敵に回しているのも、国民にとって悪い話ではありません。権力者がマスコミの厳しい監視下に置かれるのは健全なことで、小沢さんは必死に成果をあげようとするでしょう。
 国民の嫌われ者という自覚があるのもいい。小沢さんは、「自身を客観視できる」という、リーダーに必要な資質の一つを満たしているわけですから。

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