小沢氏の本音 後段 2010年9月17日号
最後のご奉公で やれる自信ある
ーそれで我慢できなくなったわけですね。自分が出ていかなきゃって。(笑い)
この試みが失敗すると、半永久的に日本に民主主義は定着しない。僕はそれを本気で心配している。民主党が政権を与えられたということは、歴史的に大変な役割を背負ったんだと思うんです。これを成功させなきやいかんですよ。それで、最後のご奉公で頑張るか、という思いになったわけです。
―でも、現実は厳しい。与党は参議院で少数です。やりたくても「ねじれ国会」で法案が通らない。どうするんですか。
まだ首相になってもいないのに言うのは不遜ですけど、僕は二十数年、自民党の政権の中にいましたし、公明党や社民党とも信頼関係を構築してきたつもりです。スジの通った話をすれば、十分説得できる自信がある。
自民党時代に野党と話す時も、「できないものはできない。しかし約束したものは絶対にやるから心配するな」という姿勢で通しました。
例えば、1988年に竹下政権で消費税の導入を決めた時、僕は宣房副長官でした。野党は「減税」を先にやれば審議に応じてもいいという。そこで、当時の竹下登首相と宮沢喜一蔵相を説得した。宮沢ざんは心配したけど、これで消費税導入が実現しました。
―「ねじれ解消」の手段として連立政権の組み替えも取りざたされてます。
いまの段階では急ぎすぎじゃないですかね。連立はともかく、僕はやっていける自信はあります。
―小沢さんの言う二大政党制は、本当に日本に定着するだろうか。現状は多党制のような状況になっているじゃないですか。
民主党が期待どおりにきちんとやれば、民主党政権は続くし、衆参ともに大きくなりますよ。
一方、いまの自民党はなくなったほうがいい。その中から、本来の自民党らしい自民党が出てくることが、いちばん望ましいですね。本来の自民党は、日本人の哲学を背景にした日本人らしい政党です。ただ、その美徳を失ってしまった。白分たちの地位に恋々として、国民のための政治を忘れ、権力闘争に明け暮れたから、国民が怒ったのです。
―なるほど。いずれにしても、小沢さんには破天荒な政策で日本を良くしてもらいたいね。
もちろん。このままでは国民の生活は良くなりません。
いままでと同じことをやったんじや、何も変わらないですから、嫌われても僕はやりますよ。(笑い)