田原総一郎氏の目に届いたのでしょうか。

芥川が一刀両断の様に田原総一郎氏を論難した事は、読者の方々はご存じのはずですが…。

国民に根強く残る「小沢はワル」という思い込み
ギロン堂…2010年、9月24日号、週刊朝日

この原稿が活字になって書店に並ぶ日には、民主党代表選の結果が出るはずである。

 だから、菅直人首相、小沢一郎前幹事長のいずれが勝つかと予測しても意味はない。そこで、代表選についての私の思いを記しておきたい。

 8月30日に、新聞各紙は世論調査結果を発表した。読売新聞では首相にふさわしい人を菅氏と答えた人が67%、小沢氏と答えた人が14%で、毎日新聞は菅支持78%、小沢支持17%、産経新聞は菅支持60・I%、小沢支持16・4%となっていた。

 ところが、告示後、記者クラブや各テレビ、そして新宿や梅田で行われた両候補の討論、演説を聞いていると、率直に言って菅氏よりも小沢氏のほうが面白く、迫力があった。

 菅氏は現役の首相なので、日常的にテレビで記者会見の映像やコメント映像などを見ることが多い。それに対して、小沢氏はめったにテレビに出演しないので、顔のアップでしゃべっている映像を見ただけで新鮮味がある。    
 それだけではなく、菅氏は現実にとらわれすぎていて、夢が持てない。それに、当然とも言えるが、代表選の演説が日常の発言と代わり映えがしない。話も抽象的だ。

 それに対して小沢氏は、鳩山政権での党幹事長時代も、政策は党ではなく政府が行うとしてかかわっておらず、現在も無役だ。だから、政府の政策、政治のあり方などに対するしがらみがなく、自由に発言できる。

 その上、菅氏からは出てこない政策、アイデアを次々に打ち出しており、菅氏に比べて夢が持てる。行きまっている日本の現状を変えてくれるのではないかと、期待感を抱かせる。現に、新宿や梅田での演説会では、小沢氏へのコール、拍手が多かった。 

 そこで、私は9月6日に発表される朝日新聞と読売新聞の世論調査では、小沢氏への支持率が上がるのではないかと予想していた。

 ところが、朝日新聞・菅支持65%、小沢支持17%、読売新聞・菅支持66%、小沢支持18%であり、小沢氏の支持率は前週と同様に低迷し、菅氏が大きくリードしていた。

 さらに、ある全国紙は、公表はしなかったが、国会議員、地方議員、党員、サポーターをそれぞれ調査していて、5日現在の情勢をまとめている。それによると、トータルで菅602ポイント、小沢417ポイントと、かなりの大差がついていた。

少なからず意外であった。なぜ、小沢氏の支持率は相変わらず低迷しているのか。

 これらの世論調査を見ると、小沢氏は政治家として「汚い」「悪い」という意識が、国民の多くに浸透していると判断せざるをえない。だが、小沢氏と実際に話をした国民はほとんどいない。検察が小沢氏をつぶすためにマスコミにリークした「小沢は汚い」「悪い政治家」という情報を新聞やテレビが氾濫させ、そのおびただしい情報から国民の多くが、そう思い込んでいるのであろう。

 そして、小沢氏がいかに面白い、夢のある政策を打ち出しても、「汚くて悪い政治家が言うことなど信用できないという国民の意識が、容易には変わらないのではないか。

 しかし、「小沢つぶし」を図った検察の捜査は失敗して、検察は小沢氏を起訴できなかったのである。
 その意味では、検察は事件の捜査には失敗したが、世論操作には成功した、ということになるのだろうか。

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