検証は、愈々、核心に至る。
「これで小沢も もう終わりだ」
「ほかにも、えたいの知れない怪情報が飛び交いました。小沢氏サイドが地方の業界団体に対して圧力をかけたとか、中堅議員を5時間監禁して投票を迫ったとかね。問題の。親密画像”の件では、内閣情報調査室も動いていたし、〝ネタ元”として菅首相支持の民主党議員の名前も取りざたされています」(全国紙記者)
しかも、奇妙な。〝偶然”はさらに続いた。
文春、新潮両誌の発売直前の7日、受託収賄など4罪に問われた新党大地の鈴木宗男代表(62)に対して、最高裁は上告を棄却する決定を出した(32ページ参照)。
「宗男さんは、代表選でも小沢応援団として陰に陽に動いてきましたから、小沢さんにとっては大打撃でした。なぜこの時期に、という思いはぬぐえません」(小沢氏周辺)
これもまた、結果的には〝小沢包囲網”の一環として絶妙のタイミングだった。
両誌の発売日の翌日、仙谷氏は中間派の議員に電話をかけて、こう言った。「例の週刊誌の小沢さんの記事だが、おれが仕掛けたってうわさになっているようだけど、おれにはそんな力はないから。もし、そんな力があったらとっくに使っているよ(笑い)」
この議員は、なぜ仙谷氏がそんな電話をしてきたのか、不思議だったという。
また、別の中堅議員は、発売前夜の菅陣営の様子をこう明かす。
「雑誌発売の前日、官邸関係者で飲み会を開き、2誌の早刷りのコピーを回し読みしながら、祝杯を上げたそうです。『もうこれで小沢も終わりだ』『二度と復権させない』『出ていくなら、行けばいい』などと大いに盛り上がったと聞いています。
もはや菅政権ではなく、完全に仙谷政権ですよ。『次はアイツを閣僚にしてやるか』『Aは今回よく頑張っているから入れてやろうか』『Bはダメだ、もう外す』なんて話もしているそうです。菅さんの姿はどこにもありません」
その菅首相は、代表選の終盤まで、官邸執務室から中間派の議員たちに電話をかけまくり、 「いままで支えてくれてありがとう。これからも一緒にやりましょう」 と、今にも泣きだしそうな声で支援を求めたという。
さて、件の画像は本当に日テレの素材映像からのものなのか。同局に尋ねたが、「当社は取材、放送の経緯等に関してはお答えしておりません」(総合広報部)との回答が書面で返ってきただけだった。
正々堂々とした政策論議が期待された代表選だったが、宴の後には、何ともいえない後味の悪さが残りそうだ。
本誌・鈴木 毅、川村昌代、
以上、2010年、9月24日号 週刊朝日