地元「適当なこと言うな」…今朝の朝日新聞4面から。
10年、20年住めないという見通しが、首相の言葉として伝えられると、福島県の自治体関係者や住民に波紋が広かった。
政府から「計画的避難区域」に指定され、工力月後をめどに住民の避難を迫られている飯舘村。
菅野典雄村長は13日、政府の避難計画を伝える住民集会の最中にニュースを知った。
菅野村長は住民たちの前で「一国をつかさどる人がなんと心ないことを言うのか。悲しくてならない。すぐにでも撤回させないといけない」と涙ながらに語った。
村はそのまま住み続けると累積の放射線量が高くなるとの予測から、11日に計画避難を指示された。
村内の自営業男性(46)は14日、菅首相の発言問題について「計画避難だけで村民は本当に戸惑っているのに、発言でますます不安になる。
思いつきで適当なことを言うんじゃない」と怒りをあらわにした。
第一原発から約4キロの大熊町に自宅がある自営業の渡辺順一さん(59)は妻と県内の実家に身を寄せている。
「首相に言われなくても、10年くらいは戻れないだろうって分かっている。状況を見ながら、どこかで仕事を始めなければ、との焦りもある」と話した。
第一原発から約10キロ離れた富岡町小浜の自宅が津波被害に遭った会社員鈴木昭雄さん(59)は「発言の根拠を示してくれなければ納得できない」と憤る。
福島市内での避難所生活はもうすぐ1ヵ月。「私のような50代や、60代、70代の人にとって大事なのは、生きているうちに故郷に帰れるのかっていうことです」
(松川敦志、川口敦子、下地毅) 黒字化は芥川。