野依良治 理化学研究所理事長…今朝の日経新聞1面から。

のより・りょうじ 京都大学大学院修了後、名古屋大学教授などを経て2003年理化学研究所理事長。 01年に不斉合成の研究でノーベル化学賞受賞。 72歳

…前略。   黒字化と*は芥川。

人類生存の研究
 
―被災地では復旧への動きが緒に就いたばかり。原発の事故は収束のめどが立ちません。
  
「震災で親戚の若者を亡くした。大学を卒業したばかりの前途ある人の死を思うと、自分が生きていることに罪悪感すら感じる。自然の力の大きさと、人間の非力さ、科学者の想像力の欠如を思い知らされた
  
原発事故では政府のコミュニケーション能力の不足を痛感する。世界が先の見通しを知りたいのに、政府が発するメッセージが弱い。みなどうしていいのか困っている。科学者は自分の専門外のことに口を出せず、人々が教えてほしいと思う期待に応えていない」 

科学の力、世界から結集

―東北、関東の被災地の復興、さらに日本の再生には何か必要ですか。
  
「日本の力は科学技術にある。科学技術の底力を培わなくては、復興も成長も中長期的にみておぼつかない。東北の復興の要に、世界からトップクラスの科学者が集まる研究所をつくることを提案したい」
  
そこで取り組むのは人類生存のための研究だエネルギーや食料、環境など人類共通の課題に世界の先頭に立って挑む明確なメッセージを打ち出せば、世界から共感をもって迎えられ人材が集まる。人事制度など制約を取り払って活力ある研究ができる特区にすればよい
  
被災地も日本も3・11の前に戻るのではなく、震災を契機に新しい東北や日本を目指さねばならない。東北の復興では地域の力を十分に生かすため分権を進める。首都機能の一部を移転し、東北州として自立性の高い自治体を目指してはどうか
 
若いリーダーを
 
ー震災は縦割りでタコツボの学問や組織を変えるでしょうか。
  
東北大学を州立大学にし、そこを突破口にして旧態依然の国立大学の再編を促したい。。大学改革を叫んでも、東京大学も京都大学もなかなか変わらない。東北大学を、東大を超える学術研究と地域再生の拠点として育てることを政治が強いリーダーシップをもって進めてもらいたい
  
生命の進化を振り返ると、極限的な事象で環境が大きく変わったときに新しいものが生まれる。震災は新生への契機となる。新しい組織では若い人をリーダーにして思いきって力を振るえるようにすべきだ」 

―この機会に政府の第4期科学技術基本計画(2011~15年度)を見直すよう主張していますね。
  
「第4期の政策は科学技術[サイエンス・アンド・テクノロジ]にイノベーション(技術革新)を目標に加えたSTLを旗印にしたが、Rを加えてSTIRにしろと言っている。Rはリコンストラクション(再建)のRであり、リフォーム(改革)のRだ」
  
「科学技術の研究の仕組みを改革するときだ。STIRは英語で『かきまぜる』という意味もある。よどみをかきまぜないと日本の再生につながらない
  
問題解決型の科学が要る。物理学者だけでエネルギー問題は解決できない。社会が抱える課題の解決には個々の専門分野だけではだめだ。さまざまな知識や技術を組み合わせ、まとめることで可能になる。マクロの刺し身もワサビやしょうゆ、器かおり板前の技量でおいしくいただける。人々はマクロではなくマクロの刺し身が食べたいのだ。科学も同じだ」
 
(聞き手は編集委員 滝順一)

*野依さんの切実な要望に答えられる、本当の実行力を持った政治家が日本に居る事は、芥川の読者にも、今や、世間にも衆知の事実。

彼が、時の権力と、それに追従したマスメディアから受けた迫害=冤罪に依って、彼こそが、今、居るべき場所に居ない事は、日本国にとっては、実に、由々しき大損失なのである。

その実行力と見識、他の誰も持てない責任感、これら政治家に不可欠な能力を、今こそ、発揮させること、
彼を登場させることを躊躇うべき理由など何処にもない。

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