放射線専門部隊帰国へ…今朝の日経新聞2面から。

米、当面の危機回避と判断 警戒態勢は維持

福島第1原子力発電所での緊急事態に備えて来日中の米海兵隊の専門部隊「CBIRF(特殊兵器事態対処部隊)」が来週にも帰国する方向となった。

原発事故は依然深刻だが、放射線の被害や管理面でノウハウを持つ同部隊の離日は、当面、不測の事態が起きる可能性が薄まったとの米政府の判断があるとみられる。
 
CBIRFは放射能濃度が極めて高い危険地域での人命救助に高度な能力を発揮する。福島第1原発では新たな水素爆発なども懸念されたことから、5日までに約150人が来日。米軍横田基地を拠点に、自衛隊の中央特殊武器防護隊と放射性物質の除染活動など共同訓練を重ねていた。
 
16には幹部ら5人が福島県を訪問。陸自の郡山駐屯地と除染所がある福島県立医科大学を視察し、自衛隊などから説明を受けた。
 
米国は現在も在日米陸軍など約2500人、航空機約40機を展開させ、被災地支援を続けている。ただ、原発事故は「不幸中の幸いだが、CBIRFが出動しなくてもいい状況が続いてきた」(北沢俊美防衛相)として、日本での情報収集を終え、米本土に帰還する。
 
一方、原発事故の悪化を懸念して米軍横須賀基地を離れ、長崎などで待機していたとされる米海軍第7艦隊の原子力空母「ジョージーワシントン」も20日に約1ヵ月ぶりに帰港する。
 
米政府の判断には、過度な「日本離れ」による世界経済への影響を考慮した点もありそうだ。防衛省幹部によると、CBIRFは、帰国後も再び日本に戻って事故に即応できるような態勢を維持するという。

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