大機小機 ベンジャミン・グレアムの教え…日経新聞1月13日17面より

…前略。

大暴落から学ぶべき教訓をまとめた投資家がいた。のちに証券アナリストを知的職業と言わしめたベンジャミン・グレアムである。

彼の教訓はのちにロングセラーとなる「証券分析」にまとめられ、自身が引退するまでの運用でも大成功を収めている。「投資というのは十分な分析に基づいてなされるべきものであること」 

「元本の安全と相応の利益が得られることを約束するものであること」を強調、投資条件を満たす限られた企業だけを長期保有することを基本とした。

利益予想はいかに綿密でも予測の域を出ず、タイミングを重視したトレーディング、短期の業績見通し、長期の成長期待などはすべて投機的行為とされた。後に、より具体的な投資判断基準として「優良企業の中でPER(株価収益率)7倍以下、もしくは配当利回り7%以上、もしくは1株純資産が株価の120%以上」との基準が示された。

全てを今に適用するのは困難だが、長期化する低成長下にあって、大恐慌を乗り越えたベンジャミン・グレアムの教えは一考に値するのではなかろうか。(自律)

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