週刊朝日が百万部、購読される日本なら、「今」はなかっただろうと、寅さんも口上した。
農水省のもう一つの訴えが、日本は食料自給率が世界の最低レベルで、危機的状況にあるということだ。日本の食料自給率はついに40%を切ったと農水省は騒ぎ立てている。
だが、農水省が食料自給率と称しているのは「カロリーベース」の自給率だ。カロリーベースの自給率を指標にしているのは世界で日本だけで、海外では「生産額ベース」の自給率を指標にしている。そこで日本の農業の生産額ペースの自給率を出すと、なんと自給率69%になる。
月刊「農業経営者」の副編集長である浅川芳裕氏が、農水省に「生産額ベース」での他国の自給率を問うと、「海外については正確なデータがないので計算したことがない」という回答だったという。
日本の農業は、非常に弱くて先細りだと私は考えていたが、農業の生産額では、日本はなんと世界5位の農業大国なのである。浅川氏はそう念押しする。
農水省と農協が、なぜか防衛省に倣って、日本の農業を「攻め」ではなく「守り」で「内向き」の産業にしてしまっているのだ。大垣に集まった専業農家たちは、誰もが「日本の農業は輸出産業になる」と自信を持ち、TPP参加にも賛成していた。
以上、先週号の週刊朝日、連載コラムでの田原総一朗の論説である。
これを読んで芥川も、言わば、何のこっちゃい、と腰が抜けた。