もっと遠くへ 石川遼…朝日新聞1月19日23面より
2012年シーズンが幕を開けました。ハワイで行われたソニー・オープンでは予選落ちに終わりましたが、国内ツアーが開幕する4月までは、米ツアーを転戦します。今季は二つの目標を持って、臨みたい。
一つ目は国内ツアーだけでなく海外でも結果を残すことです。昨年、上位に入れた試合は4位に入った世界選手権シリーズ、ブリヂストン招待だけだったので、今年は2度、3度、世界のトップ選手たちに交じって上位に名を連ねたい。
課題は、ドライバーの精度です。昨年はヘッドスピードを意識しながら、すべてプルスインクを心掛けていました。ただ、最近は8割の力でもヘッドスピードはさほど変わらず、飛距離も出るようになってきました。
スイングの軸が安定してきたのでしょう。全力でクラブを振らない分、曲がり幅が少なくなるので、コースマネジメントがしやすくなると思います。
もう一つは、賞金ランク125位以内までが獲得できる米ツアーのシードです。昨年はマスターズ前の数試合で結果を残せず悔しい思いをしただけに、今年はツアー選手たちが「まだ春先だから」と思っているところで、存在感を示していきたい。
僕にとって序盤戦は特に重要。いい結果を残すことができれば、世界ランクにも反映され、それがマスターズ出場にもつながってくるからです。
今までは海外で勝つことの難しさを肌で感じ、目の前の壁の高さすら分からなかった。でも昨年、米ツアーで初めて優勝争いを経験し、乗り越えなければならない壁の高さを知りました。
僕の中では「何をやれば世界のトップ選手と戦えるのか」という漠然とした思いから、「これを突き詰めれば彼らと同じレベルでやれる」に変わりました。あとは練習してきたことを信じてヽ強い信念を持って戦えるかどうか、です。
(プロゴルファー)