美浜原発 ■弁の水漏れ、亀裂原因 他…朝日新聞1月21日7面より
福井県美浜町の美浜原発2号機(50万キロワット)で昨年12月7日、加圧器内の圧力を下げる際に使う弁から水が漏れたトラブルで、関西電力は20日、弁につながる蛇腹部分が切れていたのが原因だったと発表した。
同社によれば、蛇腹部分はニッケル合金製で、長さ40センチ、外径6センチ。弁を開閉する棒の周囲に取り付けて水漏れを防ぐ構造だが、2個ある弁の双方とも切れていた。
■柏崎刈羽原発で故障
経済産業省原子力安全・保安院は20日、運転中の東京電力柏崎刈羽原発5号機(新潟県)で、出力を調整する制御棒1本にトラブルがあったと発表した。
19日午後10時37分ごろ、運転中の原子炉に制御棒を15センチだけ入れる試験をした際、制御棒が動く範囲の約半分にあたる約168センチまで入る「過挿入」の状態になった。東電はこの制御棒を原子炉に全て挿入した状態で固定し、出力を下げて運転する方針・保安院は「安全上の問題はない」としている。
■もんじゅでも先月故障
日本原子力研究開発機構は20日、停止中の高速増殖原型炉「もんじゅ」(28万キロワット、福井県敦賀市)で昨年12月、原子炉の緊急停止に使う制御棒駆動装置の2機で一時的な動作不良が起きたと発表した。安全上の問題はないという。
同機構によれば、3種で計19機ある駆動装置のうち、予備系の6機を昨年12月12日に点検中、1機で制御棒が持ち上がらなかった。点検後には正常に動いたが、別の装置でその後同様の動作不良があった。今月20日に正常に動くことを確認した。
■耐性評価で東北電誤記
東北電力は20日、昨年末に国に提出した東通原発1号機(青森県)のストレステスト(耐性評価)報告書に、誤りが4ヵ所あったと発表した。テストに用いた発電所の管理台帳に誤記があったため。耐えられる津波の高さを15メートルとした評価結果には影響ないという。
■中部電も報告書に誤り
中部電力は20日、福島第一原発の事故を受けて国に提出した「浜岡原子力発電所における緊急安全対策について」などの三つの報告書に、計97力所の記載ミスがあったと発表した。いずれも、対策そのものに影響を与えるものではないという。