「平手打ち100回気を失った」…朝日新聞1月19日夕刊7面より
Uさんが、読みましたかと言って送って来てくれた記事である。
私は、この記事を読んで、嗚咽を禁じ得なかった。
「平手打ち100回気を失った」…朝日新聞1月19日夕刊7面より
中国の拷問語る 渡米の作家・余傑氏
黒頭巾をかぶせられて連行され、平手打ちが100回以上。気を失ったーー。渡米した中国人作家の余傑氏(38)が18日、ワシントン市内で記者会見し、中国の治安当局による拘束や拷問の詳細を証言した。米国への亡命申請を検討中だといい、国連人権理事会に報告する考えも示した。
余氏によると、拘束されたのは2010年12月9日の午後1時すぎ。親友の人権活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式の前日だ。軟禁されていた自宅に私服警官十数人が来て頭巾をかぶせられた。車に乗せられて約1時間、どこかの一室に連れ込まれた。
午後10時ごろ、頭巾を外されると同時に私服警官数人が理由も告げずに頭と顔を殴り始めた。全裸にされ、「狂ったように蹴られた」。ネットに公開するとして写真も撮られた。ひざまずいた状態で平手打ちを100回以上受け、こう告げられた。
「共産党の批判記事を数多く書いたから1本ずつ指をへし折ってやる」 「外国人が劉暁波に賞を贈って共産党と政府を侮辱しようとしているから、我々はおまえを殴り殺して報復する」 体のけいれんが止まらなくなり、気を失った。
病院に搬送され、数時間の緊急治療を受けた。翌朝、医者に事態を説明しようとすると、警官が「話すなら(点滴などの)チューブをすべて外して死なせてやる」と制止。
退院後、治安当局の幹部から「昨日のことは部下の誤解だったが、誰にも言うな」と口止めされた。帰宅を許されたのは13日。外国の記者や大使館に接触しない旨の誓約書を書かされたという。
その後も当局の監視や自宅軟禁が繰り返され、妻は失業、家族とは別居を余儀なくされた。執筆の自由も失い、11年夏に出国を決断。
今月11日に出国する前にも再び誓約書を書かされ、政府批判をすれば「中国の家族に会えなくなる」と脅されたという。両親らを残しての渡米だが、発言することが事態の改善につながると考えているという。 (ワシントン=村山祐介)