復興始動…日経新聞1月23日1面より

…前略。
総論支援・各論規制。総額18兆円という史上最大級の財政出動も、規制緩和とのセットで機動力を持たせないと雇用にはつながらない。
17日、岩手県宮古市の重茂漁業協同組合に春の知らせが届いた。養殖ワカメの新芽「早採りワカメ」の初出荷だ。
ワカメは秋に種付けしないと冬に収穫できない。津波で流された施設を復旧するため漁協は国や県に支援を要請したが、反応は鈍い。しびれを切らした宮古市は財政悪化を覚悟の上で、昨年6月に復旧費を独自に補助した。
「国や県の決定を待っていられなかった」。水産課長の伊藤孝雄(51)は振り返る。 生活再建のための投資は待ったなし。だが焦れば効果は半減する。
入念に構想練る
…中略。
だが協議を重ねるうちに疑問がわいてきた。最新の技術で立派なインフラを造っても、果たして地元に使いこなせるか。多額の投資を官民でどう分担するか 協議会は計画のスローダウンを決断した。」。「石巻の将来像を見据え、身の丈にあった計画を練「必要がある」
…中略。
地震から数力月後で復興計画を立てた長田区では、真新しい商業施設に昼間からシャッターが下りている。主力産業だったケミカルシューズ製造の従事者は大幅に減った。奥尻町の高台に整備された住宅地への住民の移転は進まず、漁業従事者は半減した。
「高齢化など震災前からの課題を踏まえた復興策にしないと投資が無駄になる」(岡田)。きめ細かく民意をくんだ復興をどこまで短時間に実現できるか。日本の底力が間われる。(敬称略)

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