欧州一体で悪循環脱出を 他…日経新聞1月30日5,3面より
ソロス・ファンド・マネジメント会長
ジョージ・ソロス氏
欧州財政危機では、債権者が運転席に座っており、ドイツが政策を仕切ってきた。しかしドイツがユーロ導入国に求めた緊縮政策は欧州を「債務のワナ」に陥れようとしている。
賃金・企業収益とも落ち込み、経済は縮み、税収は減る。債務負担は増え、さらなる赤字削減を迫られる悪循環になる。
ドイツに悪意はないと思うが、不可能なことを求めているのだ。逆効果の政策を強要すれば政治的じ危うい状況になる。欧州連合(EU)の結束を傷つける内輪もめを引き起こすだろう。
…中略。
ユーロ危機では、最初は財政規律強化や構造改革に取り組むべきだが、その次は景気刺激策が必要だ。構造改革だけでは経済が収縮する悪循環から抜け出せないからだ。
景気刺激策はEUが手助けすべきだ。ユーロ共同債も必要だろう。重要なのは早く解決策を示すことだ。明確なゲームのプランがなければ、欧州は経済が落ち込み政治が分裂する悪循環に陥ったままだろう。
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ダボス会議閉幕
既存の権威失墜
世界覆う危機 焦燥と無策と
社会不安、民主主義に試練
意見対立も深刻
(ダボスで、編集委員実哲也)