合理性と非合理性 フランク・ナイト…日経新聞1月30日21面より

滋賀大学名誉教授  酒井 泰弘

…前略。

人間行動は、少なくとも6種類の側面から評価し得る。おのおのの側面は、ある一つの存在の不可分構成物である。だが、従来の研究では、ご都合主義的に唯一つの側面しか分析されず、説明力が極めて限定的だったーー。

これがナイトの観察であった。狭い経済的側面に限定せず、広く感情的人間でもあり、社会的政治的人間や倫理的宗教的人間でもあるのだ。

…中略。

わが日本社会では、「和をもって貴しとなす」とか。「和魂洋才」 「士魂商才」とかいうように、中間の道を取る英知が育まれてきた。

日本人の英知とナイトの哲学との間には、不思議な親和性が存在するように思われる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください