「次」の話をする前に…日経新聞2月12日21面より
…前略。文中黒字化は芥川。
二大政党への厳しい視線を背景に、永田町近辺では新党の話がかまびすしい。党首候補の一人である石原慎太郎東京都知事は、10年以上も前に多用していたフレーズを最近また持ち出すようになった。
福田和也氏の著作『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』の一節。「幼稚とは頭が悪いとか、知識がないとかいうことではない。肝心なことに目をつぶっているということだ」
自民党がダメだから民主党、民主党がダメだから第三極という発想では、政治のデフレスパイラルから抜け出せない。選挙のたびに全ての議論を1からやり直している余裕が、今の日本にあるとも思えない。
政策の優先順位と処方箋は何かーー。政治の宿題はいつの世も変わらない。既存政党も新党も、その答えを示してから「次」の話をしてほしい。
(編集委員 坂本英二)