時期変えるだけで国際人は育たぬ 京都大学総長…朝日新聞2月17日15面より

入試改革の方が先 京都大学総長 松本紘さん

42年生まれ。専門は宇宙空間物理学。京大超高層電波研究センター教授、同大理事・副学長などを経て、08年から現職。

…前略。

ーー東大が提言した「秋入学」を議論する主要12大学の協議会に、京大も参加の意向を表明しましたね。東大に追随したということですか。

「それは違います。協議会は、踏み絵のように秋入学についてイエスかノーかを短期間で決める場だとは考えていません。入試改革や教養教育のあり方など、大学教育が抱える様々な課題について議論する場として有意義だと思って参加するのです。そもそも、大学を国際化するためには、入学時期を変えるだけで進むものではありませんから」

…中略。

「未成年の若者を高校生でも大学生でもない、何の身分もない状態にしておくのはよくない。私は、そんな時間があるなら、4月から入学させて、高校で身につけられなかった知識の欠落を埋めるための補習を大学の責任において実施したり、その一環として海外の提携大学に留学させたりするシステムを検討したいと思います。またそれに必要な国の諸制度の改革も要請したい」

…中略。

「従来通り、3月に卒業できます。本学の学生は実質3年半で卒業に必要な単位を修める実力を十分持っていますから」

…中略。

「英語でコミュニケーションできるだけでなく、日本の歴史や文化を国際舞台で伝えられるような幅広い教養を身につけた人材です。真に創造的な仕事ができるようになるには、基礎的な知識の集積が不可欠なのです。

現在の大学入試のような、限られた少数科目の点数競争ではもうダメ。複雑な問題にぶつかっても解決策を見つけだせるような幅広い基礎知識や、柔軟で強靭な思考力こそ必要です。

また自分に自信を持っている若者が欲しいですね。何かにチャレンジした経験があり、さらに何かやろうという意欲のある人が必要です」

…後略。

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