小沢一郎・民主党元代表に聞く消費税と政界再編 ①…朝日新聞2月24日15面より
自民と同じ制度で「カネがないから増税」では、国民は納得しない
このまま選挙なら民主党は惨敗だ 安定政権作らねば
民主党の小沢一郎元代表が衆院の解散・総選挙前の政界再編の可能性に踏み込んだ。消費増税に執念を燃やす野田佳彦首相に再考を促しつつ、折り合えなければ民主党に見切りをつけることも辞さない構えだ。一方で刑事被告人として自らの判決を4月に控える小沢氏。民主党政権は視界不良になってきた。
―政権交代から2年半。政治が機能していません。なぜですか。
「まだ日本では民主主義が定着してない、成熟していないということだ。国民以上の政治家は出ないというからね。2009年8月総選挙での政権交代は変化を嫌う日本国民にとっては大変な決断であり、夢をかけたんだと思う。でも民主党は期待に応えるだけの資質を身につけていなかった。『任重くして』ということかな」
-自民党を離党して19年。細川政権で小選挙区制を決めたのは政権交代可能な政治体制をつくることでした。それが失敗だったという指摘があります。
「それは全くの間違いだね。中選挙区制は日本人的なぬるま湯の仕組みだが、対照的に小選挙区制は一番政権交代のしやすいシステムだ。
自分たちの代表を一人選んで自分の意思表示をきちんとするという意味で、その目標と意義は全然変わっていない。民主党から人心が離れている中、まともな政党ならすぐに政権を取れる制度だ」
ー鳩山政権は8ヵ月余で倒れました。幹事長として鳩山由紀夫首相に「身を引こう」と説得したのですか。
「そう。どっちかと言えばね。役員会でも『参院選が戦えない』という議論が出てきて、参院の皆さんがわいわいとなっだので『とにかく待て。首相と話をする』と言った。
我々のこと(政治とカネ)が参院選に悪影響を与えちゃいかんということで、辞めることにした。最終的には『首相の決断』ということにしなければね。残念ながら、辞めても辞めなくても同じ結果だったけれど」
…次章に続く。
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