「捏造される歴史」ロナルド・H・フリッツェ著…日経新聞3月4日21面より
疑似科学を生む欲望の恐ろしさ 東京大学教授 池上俊一
学界、出版界、政界、宗教界を巻き込み、とんでもなく馬鹿馬鹿しい疑似歴史・疑似科学が大手を振るってまかりとおっているアメリカという国はすごいなあ、という感想をまず抱く。
さすが多くの州で、進化論さえ、神による人類創造説と矛盾するとして教えることが禁止され、存在しない大量破壊兵器を口実に、イラク戦争を始めてしまう国だけある。本書は捏造される歴史そして似而非科学を論じているが、それだけではない。
それらが人びとのいかなる意図と欲望によって作られるのか、根絶しようとしてもかならず息を吹き返し再生産されるのはなぜか、その絡繰りを解明しようとしている話題作である。
扱われているテーマは「アトランティス大陸」「古代アメリカ大陸の発見と定住」「天地創造説のなかの人種差別」「古代の地球を見舞った天変地異」そして「『黒いアテナ』論争」である。本書にはアメリカの例が多いが、同様な例はどこの国にもあり、もちろん私たち日本人にとっても無縁ではない。
テレビ、ラジオ、雑誌、とりわけインターネット上で、でたらめな情報が科学的検証もなく垂れ流されている現在、疑似歴史・疑似科学の温床である「カルト的環境」はますます広がりつつあるのではないか、と暗澹たる気分になる。疑似歴史・疑似科学は、本当には信じていない人たちによっても、面白可笑しく受容されている。
それは一種の娯楽・楽しい話の種にもなっているから、むげに否定しなくてもよいのだろう。まさに、西洋中世の驚異や、近代のファンタジー文学が果たしてきた役割だ。
だが面白がっていられるのは、沈着な理性が控えているときだけであり、それが政治的に利用され、人種差別・過激なナショナリズムの手段や狂信的宗教の道具となったり、あるいは真摯な学術研究の意義を弱める、極端な相対主義が蔓延してしまうともう面白がってはいられない。
その深刻なケースの多くを紹介している本書は、「面白い」だけでなく「恐ろしい」本でもある。いくら困難で時間がかかろうと、これまで軽んじられてきた批判的思考の教育を、真剣に考えるべき時だろう。
(尾澤和幸訳、原書房・2800円)▼著者は米アラバマ州アセンズ州立大で歴史学の教授を務める。`
66年に一度の好著である拙著を、いまだに購読されていない方は、今すぐ最寄りの書店か、サイドバーのネット書店か、電子書籍で購読した方が良い(笑)。何故なら…
日本が再生し(元に戻り)世界を救える国になる、米国と屹立して世
界をリードして行く国に成る為には、拙著を日本中の方々が読まれて、
皆さま方が、芥川が書いた〈解答〉を、皆さま方が選んだ為政者に実行させるしかないのだ、と確信しているからです。
神に与えられた使命を果たしている結果としての言葉…に出会う。
「文明のターンテーブル」第一巻 近未来100万部突破。
銀河鉄道の夜.jp(「銀河鉄道の時刻表」)にてスタート。
<ネット書店>
文芸社/
≪BOON-GATE≫
