「日本改造計画」について…ウィキペディアから。
日本改造計画 文中黒字化は芥川。
『日本改造計画』(にっぽんかいぞうけいかく)は、日本の政治家、小沢一郎の著書。1993年刊行。
概要
小沢が自民党の幹部時代、講談社から1993年5月20日に発表され、実際に書店に並んだのは6月下旬だった。内容は小沢の政策やビジョンをつづったもので、小沢が自民党を離党して、新生党を立ち上げ、細川連立内閣が成立するという政治の激動期において、中心人物の小沢の考えを知るための書として、発行部数72万5000部の年間3位のベストセラーになった。かつて、小沢の師の田中角栄が1972年に著してベストセラーになった『日本列島改造論』の平成版ともいわれる。
内容的には、新自由主義的な経済改革、軍事も含めた積極的な国際貢献、政権交代のある二大政党制を可能とする政治改革などが提唱されているが、これらはその後の政界再編期の主要な政治課題を先取りしたものであった。
小沢の理念をもとに、官僚や新聞記者などが詳細について肉付けしたものとされているが、執筆過程の詳細はわかっていない。
本書発売を契機に、政治家本出版ブームが起こり、浜田幸一『日本をダメにした九人の政治家』(1993年12月)、橋本龍太郎『VISION OF JAPAN』(1993年12月)、武村正義『小さくともキラリと光る国・日本』(1994年1月)、渡辺美智雄・柿澤弘治・伊吹文明『新保守革命』(1994年4月)などが相次いで発刊された。政界再編の流れの中で、国民の政治への関心が高まるなか、いずれもベストセラーとなった。
小沢は当初『夜明け』というタイトルを考えており、『改造』というタイトルは出版社の要請で入れたという。
ベストセラーになったこともあり、講談社からは英語版を出版する話もあったが、当時の講談社の『週刊現代』が、親小沢の小学館の『週刊ポスト』に対抗して、小沢批判を繰り広げていたため、この話は消滅した。
1998年に絶版となったが、2006年に小沢が民主党代表となり、また、自民党の安倍晋三の『美しい国へ』がベストセラーになって、政治家本が再びブームになっていたのを機に復刻された。
復刻にあたり、講談社学芸図書出版部部長の小沢一郎(著者と同姓同名)が担当編集者となった。
さらに『日本改造計画』の続編が執筆されるとの報道もなされた。
この本とは直接関係はないが、同じく2006年には、13年ぶりの書き下ろし『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』が集英社インターナショナルから、『夕刊フジ』の連載「小沢一郎の剛腕コラム」をまとめた『剛腕維新』が角川学芸出版から出版されている。