これで学問の世界とは永久にお別れなのだ、と、痛切に、知らしめた時でもあったのだ。
「社長さんと(Fさんの場合は、君と)全く一緒の事を言っていますよ(Fさんの場合は、言っているよ)…」
全く名前も知らなかった私は、「いえ、名前すら知らなかった…」
何分、裸一貫から、実業家としての人生を始める時に決意した事が、これから10年間は観たい映画も観ない読みたい本も読まない。
それが、戻りたかった学問の世界…この時は、特にそうだったのだ…に決別せざるを得なかった私の宣言だった。
20代の後半にさしかかり、世の中の事は、ほぼ観尽くしてもいた。
この世の中の事は、もうこれで十分。
私が本来居るべき場所である、学問の世界に戻りたい。
痛切に、そう思っていた。
が、それは、同時に、
その道がもうない。
私は、自分でお金を稼いで生きて行くしかない。
これで学問の世界とは永久にお別れなのだ、と、痛切に、知らしめた時でもあったのだ。
それが私の人生であり、神様が与えた試練なのだと。

20124/1、天龍寺にて。