外務省内で誰が言ったのかと犯人捜しが始まった。 そして犯人捜しを主導した幹部は民主党政権下で出世を遂げた。 

今日もまた日本は凄い日である。
何しろ月刊誌「正論」定期購読月刊誌「テ―ミス」高山正之と櫻井よしこさんが掉尾を飾る週刊新潮、
上記の3誌が同時に発売されているのだから。
親友が長期療養に入るまでの私だったら大忙しの一日となっているところだった。
「文明のターンテーブル」が発信されない限り、世界が、日本の各界、各層に無数にいる本物の思索者達の論文を知ることは無い。
以下は今日の産経新聞に掲載された阿比留瑠比の論文である。
阿比留瑠偉は伊達に高山正之の後輩ではなく現役記者として日本最高のジャーナリストの一人である。
私、阿比留瑠偉、高山正之は、日本国にとって、今を生きる和気清麻呂である。
見出し以外の文中強調は私。
日本に根を張る親中派の輪
現在、世界がいやが応でも向き合わざるを得ない大きな課題は何か。
一つは中国・武漢発の新型コロナウイルスヘの対応であり、もう一つは中国をはじめとする専制主義国による民主主義への挑戦に、どう対峙していくかではないか。 
共産党一党独裁体制下の中国は、新彊ウイグル、内モンゴル両自治区や香港などでの過酷な人権侵害や言論弾圧で、国際社会から厳しく非難されている。
日本も自由、民主主義、法の支配といった共通の価値観を持つ国々とともに、中国の専横を戒めていかねばならないのは当然である。 
小沢氏祝電の中身 
「今の中国人13億人(当時)のうち、一体何人が共産党を心から支持しているのか。中国共産党と、一般の中国人は違う」 
15年前の平成18年6月にインタビューした故・杉本信行元上海総領事のこの言葉を、ずっと胸にとどめてきた。
そして現在、習近平国家主席は「永遠に党を信じ、愛せよ」と呼びかけ、世界に親中派の輪を広げるよう指示している。
だが結局、少数民族弾圧や言論統制をやめないのも愛される中国を宣伝するのも、共産党体制維持のためである。
民主主義に対する中国の政治体制の優位を強調するのも、自己保身が目的だろう。 
ところがその中国共産党が1日に創建100年を迎えるに当たり、立憲民主党の小沢一郎元自治相がわざわざ祝意を表すメッセージを送っていた。
中国国営通信の新華社電によると、小沢氏はこう評価した。  
「創建以来、幾重もの困難を克服し、中国を大きな政治的、経済的影響力を持つ国に成長させた」「国際社会が中国にかつてない大きな期待を寄せている」 
中国問題グローバル研究所の遠藤誉所長が米誌ニューズウィーク日本版に寄せた記事(6月27日付)によると、河野洋平元衆院議長もこんな祝電を送っている。  
「中国共産党は団結して中国人民を指導し、社会主義制度を打ち建て完全なものとしてきた。これは目を見張るばかりの輝かしい成果である」 
ともにブラックジョークだろうか。
現在進行形のジェノサイド(民族大量虐殺)を実行していると指摘される相手を与野党の大物以治家がほめたたえることは、日本は人権も人道も軽視していると世界に向かって宣言するに等しい。
剛腕で「特例会見」 
河野氏の極端な親中派ぶりはつとに有名だが、小沢氏も相当なものである。 
民主党政権時代の平成21年12月には、小沢氏は党幹事長として当時は国家副主席だった習氏と天皇陛下(現上皇さま)との「特例会見」を実現させた。
外国要人が陛下との会見を望む場合は、1ヵ月前までに文書で正式に要請する「1ヵ月ルール」を破り、宮内庁や外務省の反対を押し切ってのことだった。 
小沢氏は同月、民主党国会議員143人、秘書や後援会関係者を合わせて総勢626人の大訪中団を率いて中国入りしていた。 
このときの民主党の動きについて、当時の外務省幹部の一人は「まるで中国の走狗となった」と述べ、別の幹部は「亡国政権」だと吐き捨てていた。
うち一人は、チャイナスクール(中国語研修組)に属していたにもかかわらずである。 
筆者がこの2つの言葉を記事に書くと、外務省内で誰が言ったのかと犯人捜しが始まった。
そして犯人捜しを主導した幹部は民主党政権下で出世を遂げた。 
習氏が改めて指示せずとも、日本ではすでに親中派の輪が幾重にも張り巡らされている。
(論説委員兼政治部編集委員)

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