大徳寺・大仙院の庭を讃える。

最初に訪れたのは2年前の冬だったか。

地下鉄の駅から、雪の残る、何と言う事もない町の通りを歩いて、これは堪らん、とタクシーに乗って、向かった大徳寺。

当然ながら、色彩は何もなく…千利休ゆかりの、彼には重大問題と成った門の「赤」以外には。

私の目的は、ただ一つ、大仙院の庭園の写真を撮る事、ただ、それだけで、雪の残る大徳寺に向かったのである。

撮影禁止…何と言う心の狭さだ、と、反発して、それなら結構、と、踵を返して帰った。

暫くして、二度目に訪れた時も、結局、そう思って、踵を返した。

先日の夜に、今回の「京都に於ける春の特別拝観」をネットで検索した時に、ちゃんとしたものが出てこなかった。

ならばと、久し振りに、或る方の労作…京都中の観るべき庭園を全て網羅したサイト、この方は、石組に…造詣というか感性の深い方で、庭園作成関係者の様な方でもある…を読み出したら、止まらなくなり、1時間は、睡眠時間に食い込んだ。

この時に、やっぱり、大仙院は、観なければならないな、と思ったのである。

が、そのことは忘れて、昨日、「京都に於ける春の特別拝観」で、上賀茂神社から大徳寺…国宝の方丈・唐門が拝観できるから…というコースを取る事にして向かった。

方丈の庭も良かったし、秀吉の聚楽第の遺構である唐門は、非常に良かった…西本願寺の唐門よりも、こちらの方が良いなぁ、と私は思った。…これは後日に書くとして。

本堂の、狩野探幽作の雲龍図も良かったが、真下で手を叩いた時の鳴き龍の出現も最高だった。
相国寺の様な、ただのこだまの様なものではなく、本当に、ぐぐぐ、ぐぐぐー、と三回も、龍が鳴くのである。

大満足して出て来た時に、大仙院を思い出した。

一時間は、この「天下第一統の枯山水」の庭を持つ、国宝である方丈に居ただろう。
大徳寺の塔頭でありながら、その方丈が…豊臣秀吉、千利休ゆかりである茶室の存在も在ろうが…国宝と成っているのも、むべなるかな。

さぁさ、皆さま方、読書じゃ、購読、功徳、御購読。私の「文明のターンテーブル」は、大徳寺の天下第一統の庭にも負けない哲理を持った本ですぞ。(笑)本屋に急がれい。

「文明のターンテーブル」を読まずしてゴールデンウィークは語れない。(笑)

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