重要文化財である「登り回廊」の脇に、今度は、蛇が現れたのだった。
昔は蛇が嫌いだったのだが、シンガポールのGさんとの交流に於いて、中国では蛇を商売の神様の様にして崇めることや、京都の神社仏閣で、蛇の文様を観ている内に、ちっとも嫌でも、怖くもなくなった。
芥川が、彼らハ虫類にも胸襟を開いているからだろうか、この日、室生寺ではヤモリが、そして、この長谷寺で、この有名な登り回廊を歩いていた時の事である。
芥川の後ろからお坊さんに引き入れられた一団(外人さんが半分だったか)がやって来た。
彼等を先にやった時だった。「あっ、蛇が居る…」
重要文化財である「登り回廊」の脇に、今度は、蛇が現れたのだった。
実に何十年振りかで蛇を観た。

2012/5/19、長谷寺にて。(C)芥川賢治。
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