日本の電力自由化は不要である――世界一の品質を壊す愚策

世界一の品質を誇ってきた日本の電力は、なぜ壊されねばならなかったのか。
規制緩和の名の下に進められた自由化が、雇用を奪い、企業を傷つけ、公共インフラを脆弱化させる。
そして、米ミシガン州フリントの鉛汚染事故は、その行き着く先を冷酷に示している。

世界一高品質な電力を供給し続けてきた日本の電力を自由化する必要など、どこにもない。
2016-01-24

先日、私は、世界一高品質な電力を供給し続けてきた日本の電力を自由化する必要など、どこにもない事、全く不必要である事を書いた。
この事を証明する事実が、昨日の産経新聞の7ページに在った。

電力の自由化などと言うまやかしは、またしても孫正義のような一握りの人間に、何の意味もない莫大な資産を作らせて、
世界一優秀であると言っても過言ではない日本の電力会社を毀損するだけのものなのである。

何故なら、日本の電力会社とは、大変な数の従業員を雇用してきた会社群なのである。
例えば、東京電力は、戦後ずっと平均して約4万人の従業員を雇用し続けて来たのである。
関連会社の従業員や、関連企業の従業員を含めると、その数は膨大なのである。
これは他の電力会社も全く同様なのである。

それぞれの地域で、最も優秀な人間たちが、就職する会社でもあった。
だからこそ世界一の優秀な会社でも在ったのである。

規制緩和や規制開放が、今、世界中の国が蛇蝎の如くに忌み嫌っている、日本の長期デフレの解決には全くならなかったどころか、
格差を拡大して、更にデフレを深刻化させただけのことだった事を、あのバス事故は証明していると私は書いた。

―――
ミシガン州
飲料水に鉛「子供危険」
財政難で川から取水 汚染予想以上
オバマ大統領、非常事態宣言
【ニューヨーク=黒沢潤】

財政難にあえぐ米中西部ミシガン州フリントで飲料水に鉛が混入していることが判明し、オバマ大統領が非常事態宣言を発令した。
子供の血液中からは高濃度の鉛が相次いで検出され、住民が激しく抗議している。

フリント(人口10万人弱)はこれまで五大湖の一つヒューロン湖から水を引いていたが、2014年4月、地元フリント川から取水するシステムに切り替えてコスト削減を図った。
その約1ヵ月後、住民からは「水から異臭がする」などの苦情が殺到。
川の汚染が予想以上にひどく、市内に敷設された水道管から鉛が溶け出す事態になっていたが、当局は昨年10月まで川の水を使用し続けた。

現在、市内ではヒューロン湖の水が使われているが、鉛濃度はあまり改善されていないという。
鉛中毒は脳障害など深刻な健康被害を引き起こすため、子供約9千人の健康を懸念する親たちが当局を激しく批判。
州議会議事堂を取り囲んでデモを繰り広げているほか、訴訟も起きている。

また、多くの世帯には飲めない水の請求書がいまなお届いており、住民の怒りを増幅させている。
スナイダー知事(共和党)は19日、状況改善のため2800万ドル(約33億円)を供出する方針を表明した。
州兵部隊も市内に緊急配置されている。

16日に非常事態宣言を発令したオバマ大統領は20日、米CBSテレビに対し、
「私がそこの地域の親だったら、子供の健康が危険にさらされていることに逆上するだろう」と述べ、徹底的な改善を求めた。

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