日本攻撃に同調する日本人の存在 ― 朝日新聞「虐日偽善」の構造
元東大教授・酒井信彦による名著『虐日偽善に狂う朝日新聞』の「まえがき」を引用し、尖閣諸島問題、反日デモ、韓国・中国の対日攻撃がなぜ可能になるのかを分析。最大の要因は、日本人自身の中に「相手側に同調して日本攻撃に熱中する人間」が大量に存在する現実にあり、その中心に朝日新聞が位置していることを鋭く告発する。
以下は、元東大教授の酒井信彦さんの本当に見事な本である、「虐日偽善に狂う朝日新聞〈偏見と差別の朝日的思考と精神構造〉」の、≪まえがき≫である。
昨年夏、日本政府が国有化を宣言したことを契機に、尖閣諸島をめぐる中共との紛争において、いわゆる「反日デモ」なるものが発生した。
これは中共の国家権力そのものが自作自演で行ったテロ行為であるが、その際9月18日の満州事変勃発の日が持ち出された。
また韓国の前大統領は竹島に上陸し、新大統領は、被害者と加害者の関係は千年たっても変わらないと明言した。
ここに顕著に表れているのは、領土問題を強引に歴史問題に結びつけ、日本人を悪者に仕立て上げて、自らの犯罪を隠蔽するやり口である。
しかしこの重大かつ深刻な事態の到来を、日本人はいまだに正確に認識することができない。
中共の国家権力による、日本企業に対する焼き討ち・略奪という、あからさまな迫害・仕打ちを受けても、韓国大統領に悪しざまに罵られても、日本国民の中にまるで怒りが湧き上がってこないのが、何よりの証拠である。
そうなってしまうのは、歴史問題によって罪悪史観を植え付けられ、民族としての誇りと名誉を奪われ、精神を侵略されてしまっているからである。
民族意識の衰退・欠如であり、根本的な精神力の衰弱である。
シナ人や韓国人がこんなことが平気でできるのは、日本人のなかで相手の側に同調して、日本攻撃に熱中する人間が、大量に存在するからである。
それには多様な存在があるが、もっとも中心的な役割を演じているのは、何と言っても朝日新聞だと言わなければならない。
また保守の人々の間では、朝日などが日本を貶める言論を行う原因を、左翼であるからと理解しているが、それは正しいとは言えない。
自民党の政治家など左翼以外の人間も含んでいることからも分かるように、彼らの言論の本質は根本的に偽善であって、要するに良心的人間であると思われたいのである。
また朝日などが主張する歴史観は「自虐史観」と言われているが、彼らは自分自身に何の痛みを感じておらず、ことさらに日本という対象を、虐めさいなむのであるから、正確には「虐日史観」と言うべきものである。
すなわち、朝日の言論の本質は、「虐日偽善」であると断定することができる。
この稿続く。