どこにも真実のない原発報道 ― 朝日の「それでいいのか」という倒錯
米サンオノフレ原発事故と三菱訴訟、GEの欠陥原子炉、原子力賠償法の構造を無視し、朝日新聞は事実を歪曲した誘導報道を行った。その虚偽性と報道犯罪性を鋭く告発する一節である。
今、米サンオノフレ原発が、三菱納入の蒸気発生器が故障した、おかげで廃炉にせざるを得なくなったと米国側はPL法で三菱を訴えている。
トヨタのレクサス訴訟と同じ、ほとんど言い掛かり訴訟だが、三菱に仮に不具合があったとしても、GEの欠陥原子炉の深刻さとは比べものにはならない。
それなのになぜ東電がGEに求償しなかったかというと、原子力賠償法4条に「東電など事業者以外は賠償の責任はない」とPL法適用を禁じているからだ。
当時の原子力事業は米国の輸銀や、それこそGEからの借入に頼っていた。
面倒見てやっているのにPL法など考えるなという米側の意向でこの一項が挿入されたといわれる。
GEが福島を船員上がりの責任者で済ませた理由もその辺にあるのだろう。
GEの手抜きのおかげでというか日本はそれで立派な原発を作れるようになった。
輸出も好調だ。
インタビューはその日本製原発がどんどん輸出されていく現状に触れ、朝日新聞は彼に「それでいいのか」と言わせる。
どこにも一片の真実もない記事。
それでいいのかとこっちが聞きたい。
(二〇一三年八月一日号)