それでも、気候変動を理由にして電気自動車の普及を唱えている人たちがたくさんいる。

有数の読書家である友人が、この本の中には、貴方の論説が100%正しい事を証明している章があるからと購読を促してくれた。
世界最高の中国ウォッチャーである宮崎正弘さんと石平さんの対談本である。
この本は、日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
本が読める国民は全員が最寄りの書店で購読しなければならない。
世界には、特に欧米には、私が出来るだけ伝える。
p154-159
第4章 コロナより怖い「中国 the only winner の脱炭素」の罠
前文省略
中国が仕掛けた大ペテンの事業・電気自動車(EV)の罠 
以下は前章の続きである。
雪に弱い電気自動車よりハイブリッド車がいい
宮崎 
中国は、火力発電所だけではなく原発や水力発電所も作っています。
電力供給が間に合わないからね。
まして、電気自動車というのは、たくさんの電気ステーションがいる。 
そして電気自動車には大量のリチウム電池が必要になります。
心配なのは使用後、破棄されたリチウム電池は「毒の垂れ流し」になるのではということです。
中国では、水俣病ではないけど公害がらみの病気がドンドン出て来ますよ。
電池技術はまだ発展途上にあります。
今後、どうなるか分からないし、長時間持ちません。 
この間、日本の北陸地方で豪雪がありましたね。
多くのクルマが立ち往生して自衛隊が救助に向かった。
実は、そのクルマの中に電気自動車があって、それが動かなくなって大変だったという。ガソリン車に比べると、電池切れだと運転を再開するのにも時間がかかるし、車内暖房にしても消耗が早い。
そういう非常時の欠陥に触れないのもいかがなものか。 
そして、この前の2月のテキサス州の大寒波で、アメリカも電気自動車は大変なことになることが分かったのです。
雪が降ったりしたら、バッテリーは2倍、3倍消費してしまい、電気自動車はすぐに動かなくなる。
電気自動車はもともと長距離を走れません。
石平 
それでも、気候変動を理由にして電気自動車の普及を唱えている人たちがたくさんいる。ガソリン車から電気自動車に切り替えたいわけでしょう。
宮崎 
トヨタのハイブリッド車(複数の動力源・原動機を持つ自動車。トヨタのハイブリッド車プリウス」は、ガソリンで動くエンジン・内燃機関と、電気で動くモーター・電動機の2つの動力を採用)は世界最先端です。
それを疎ましく思っているEUが、それを潰して電気自動車にしたいと目論んでいる。
でも、ガソリン車をなくすのは無理だと思う。
それでも、やるというなら、どうぞやってください。
でもそれは、自動車会社を自滅させるだけです。 
ともあれ、「CO2ゼロに関する経済効果」は、2030年に年90兆円、2050年に年190兆円、が見込まれています。
しかし、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏は以下のように指摘しています。 
「莫大なコストが掛かることを以て経済効果とするのは明確な誤りだ。もちろん、巨額の温暖化対策投資をすれば、その事業を請け負う企業にとっては売り上げになる。だがそれはエネルギー税等の形で原資を負担する大多数の企業の競争力を削ぎ、家計を圧泊し、トータルでは国民経済を深く傷つける。太陽光発電の強引な普及を進めた帰結として、いま年間2.4兆円の賦課金が国民伯担となっている。かつて政府はこれも成長戦略の一環であり経済効果があるとしていた。この二の舞を今度は年間100兆円規模でやるならば、日本経済の破綻は必至だ」(2021年1月27日付、産経新聞「正論」)と主張しています。
さらに、杉山氏は中国の脅威にも言及しています。
中国にとりCO2ゼロというポジション取りは、国際的な圧力をそらすのみならず、自由諸国を弱体化させ、分断を深める効果がある。世論を活用し戦略的有利に立つという『超限戦』において、いまや温暖化は主力兵器となった。加えて、太陽光発電、風力発電、電気自動車はいずれも中国が世界最大級の産業を有している。自由諸国が巨額の投資をするとなると、中国は大いに潤い、自由諸国のサプライチェーンはますます中国中毒が高まる。さらには、諸国の電力網に中国製品が多く接続されることはサイバー攻撃の機会ともなる」(同)と危惧しています。 
また、スタンフォード大学フーヴァー研究所研究員の西鋭夫氏も「バイデン政権は『脱炭素社会』を揚げ、パリ協定に復帰すると言っています。しかし、バイデン政権が『脱炭素社会』に舵を切って産業活動を制限したら、アメリカ経済は劇的に悪化」(NIPPON2021.2「バイデン政権を揺さぶる『トランプ待望論』すると警戒しています。 
前出の杉山氏は大変、興味のある指摘をしました。 
電力市場自由化で先行する英国には中国企業が深く浸透した。彼らは中国共産党と一体であり、北京からの指令によって大停電を起こせば、ロンドンの政治中枢、シティーの金融、英国中の病院などを麻痺させることができるという。今後、太陽光発電事業などの形で中国企業が日本へ浸透すると、同様の危険が生じる。警戒が必要だ」(2021年3月12日付、産経新聞『正論』と。)
このように諸手を挙げて地球温暖化対策、賛成というわけにはいかないようです。 
この稿続く。

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