「二位じゃダメなんですか?」が示す、日本の半導体を蝕む地下水脈
月刊誌WiLL三月号に掲載された深田萌絵氏の長文論考から、台湾半導体業界を実質支配する青幇の実態と、日本の電子産業弱体化の構図を検証する。
蓮舫氏の「二位じゃダメなんですか?」発言の背後にある国際的利権と、国家投資としての研究開発の本質を明らかにする。
以下は月刊誌WiLL三月号に掲載された深田萌絵さんの長文の労作からである。
2017-02-10 21:04:20
以下は月刊誌WiLL三月号に掲載された深田萌絵さんの長文の労作からである。
前文略。
「二位じゃダメなんですか?」
青幇が台湾国民党を牛耳っているにもかかわらず、その存在はほとんど知られてきませんでした。
青幇について言及した作家、江南氏は台湾暴力団「竹聯幇」に殺害されています。
これもあまり知られていないことですが、半導体市場を中心とした台湾エレクトロニクス業界の一部が、青幇に牛耳られているという実態があります。
台湾のメモリ大手、華邦電子のCEOを務める焦佑釣氏は、青幇の先代首領、焦廷標氏の息子です。
先日、国内メモリモジュール会社の社長が、「台湾にある半導体シンジケートみたいなものが、DRAMの流通を牛耳っているので、その調達に困っている」とボヤいていました。
メモリモジュールを日本国内で販売しようとしても、半導体シンジケートとのコネがないと、大量調達できない仕組みになっているらしいのです。
某大手の通信チップも青幇が実質支配しているため、日本の某エレクトロニクスメーカーは、注文していた通信チップが調達できず、新製品の発売が遅れて赤字になったケースもあります。
DRAMを中心とした台湾の半導体メーカーの多くは、青幇の下部組織で構成されており、企業家と政治家、主に国民党がそこに関係しています。
反日親中派で、習近平に擦り寄り続けている馬英九元台湾総統も青幇だと言われ、彼と親しい鴻海のテリー・ゴウ会長がシャープを買収するなど、青幇関連企業はいま、日本のエレクトロニクス業界を弱体化させようと狙っているようです。
民主党政権時代の蓮舫さんの「スパコン二位じゃダメなんですか?」発言によって、日本のエレクトロニクス産業の成長に欠かせない半導体微細加工装置の開発予算が、大幅に削減される危機に陥ったのは記憶に新しいところです。
識者の強い反発によって予算はかろうじて維持されましたが、蓮舫さんほどの聡明な方が、無知のために「二位じゃダメなんですか?」という発言をされたとは思えません。
失礼ながら、青幇が実質支配する台湾の半導体企業の市場優位性のための発言ではないかと、勘繰りたくなります。
なぜなら、開発予算とは「費用」ではなく、国の成長への「投資」なのですから、そもそも「もったいない」と削減対象にすること自体がおかしいからです。
馬英九元総統や、台湾暴力団と親しいテリー・ゴウ鴻海会長も、青幇構成員である可能性が高いと、私は考えています。
鴻海によるシャープ買収案が浮上した頃、テリー・ゴウ会長は、「シャープ買収で日本経済を立て直すだけでなく、政治も正す。そのためにアドバイザーを雇った」と豪語していたそうです。
その政治アドバイザーとは、中華統一促進党の党首で、暴力団「竹聯幇」の元幹部、張安楽氏のことでした。
彼は、「テリー・ゴウとは、姓は異なれど兄弟のようなものだ」と語っています。
2015年に、沖縄の指定暴力団「旭琉会」と接触し、何やらよからぬ相談をしていたことを、ご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
この稿続く。