冗談ではない ― 日本人の困窮を置き去りにする難民受け入れ論
国内で日々の生活に苦しむ日本人が多数存在する中、難民受け入れを優先せよと迫る主張は本末転倒である。NPOの要請を例に、日本社会の現実を無視した「善意」の危うさを指摘する。
2016-02-02
以下は前章の続きである。
例えば、昨年のこと。
NPO法人「難民支援協会」など、難民支援に関わる14団体が、9月28日、
シリア難民を国内に受け入れるよう、安倍晋三首相宛の申入れ書を、政府に出した。
毎日新聞、27年9月29日号。
冗談ではない。
日本人にして、日々の生活が大変という人々が、たくさんいる。
そうした人々の救済はさておき、
外国の難民を受け入れろだと?
本末顛倒である。
おそらく、こういう理屈であろう。
日本は豊かだから、難民受け入れができるでしょう。
私たちには、〈愛があるから〉。
この稿、続く。