中国資本と市場操作――健全な視座を失った日本のメディア
中国経済の苦境と外貨資産を背景にした市場操作の可能性を分析する。テレビ朝日の悪辣な報道や金融業界出身者の言説よりも、冷静な構造分析こそが市場理解に不可欠である。
2016-02-10
最近の、素人目にも分かる市場の動き方を見ていて、私が思う事は、中国政府は苦境に喘いでいるとはいえ、未だに莫大な外貨資産を持っているという事実である。
一部の週刊誌報道が正しいと仮定すれば、中国は資本流失を防ぐため、中国人旅行客の日本での爆買いを抑制しようとしているらしい。
だが、彼らの爆買いの本質は、中国社会が、梅棹忠夫が喝破したとおり、「底知れぬ悪」と「まことしやかな嘘」の国であることに起因している。
ネットで流通する商品の約50%が偽物という、信じ難い社会構造が、その原因である。
中国経済が苦境にある事は、もはや自明である。
この局面で、世界も同時に引きずり込もうと考えたとしても、不思議ではない。
国家としてサイバー攻撃を平然と行う国なのだからである。
外貨資産を背景に、主要な株式市場、とりわけ流動性が高く安全な東証を主戦場に選び、売りを仕掛けたと考えれば、今の市場変調は理解できる。
外資に70%を牛耳られ、為替一つで動く日本市場の脆弱さも、そこにある。
テレビ朝日の悪辣な報道や、彼らが重用する元金融機関勤務者の言動を聞くよりも、私の論説に耳を傾ける方が、どれほど健全であるかは言うまでもない。