朝日新聞が称揚してきた「進歩的文化人」の正体— 大内兵衛・桑原武夫をめぐる歴史的断罪 —
月刊誌『歴史通』の特集対談を通じて、朝日新聞が賞賛してきた大内兵衛や桑原武夫といった「進歩的文化人」の実態が、学術的検証によって徹底的に暴かれる。シベリア抑留をめぐる虚偽と倒錯した歴史観、そして筆者自身の原体験を交え、日本の戦後言論空間の欺瞞を告発する論考。
2017-03-13
読者はご存知の経緯で、こうして登場した頃、私は司馬遼太郎を揶揄して、臆病者の司馬遼太郎と書いた戯文を書いた事がある。
彼は現代を書かなかったのだが、
「今の事は…近い過去の事は怖くて書けない」、と彼が、誰かとの対談で語っていた事を揶揄したのである。
だが、彼がまっとうな人間であったことを、私は前章の月刊誌「歴史通」最新号で知った。
「東京裁判史観」の欠落―「シベリア強制抑留」の恐怖
「強制連行」「強制労働」「性奴隷」
これはすべて日本人が被害者だった!
と題した、伊藤隆東京大学教授、福井義高青山学院大学教授、田久保忠衛杏林大学名誉教授の、3人の、31ページから、3段組み18ページに渡る大対談特集を読んだからである。
この中で朝日新聞社が賞賛して来た大内兵衛や桑原武夫たちの実態が、容赦なく暴かれている。
私が高校1年生の時、後者の桑原武夫が仙台に講演に来た。
当時、大脳生理学の権威だった時実利彦との二人講演会だった。
私が文系にいた人間であることはご存知のとおり。
この講演会で、私は東大ではなく、京大に行こうと決心した。
その桑原武夫の、絶句するほかはない、「とほほ」な実態を、
福井義高教授が、進歩的文化人の“抑留賛歌”と題した章の中で、
見事に実証していたからである。
この稿続く。