尾崎の真の姿は「完全な共産主義者」であり、その活動は同僚はもちろん妻にさえ隠し、

尾崎秀実の思想的核心を「完全な共産主義者」として整理。
差別体験、大学時代の事件群、唯物論研究会、コミンテルン参加、そして取調べ供述に至る一貫した革命目的を明確に示す。

2017-03-21

尾崎の真の姿は「完全な共産主義者」であり、その活動は同僚はもちろん妻にさえ隠し、自称「もっとも忠実にして実践的な共産主義者」として、逮捕されるまで正体が知られることはなかった。
以下は前章の続きである。
共産主義者
コミンテルンの活動家となったきっかけは幼少の頃台湾に住んでいたときに感じた差別、大学時代に起こった「大正十二年夏の第一次共産党検挙事件」「農民運動者の検挙事件」「大杉栄とその妻子の殺害事件(甘粕事件)」などから刺激を受け、社会主義を開拓していくことに英雄主義的な使命を感じたからである。
その後、大学院に進学し、「唯物論研究会」に参加、共産主義の研究に没頭することになり、完全な共産主義者となった。
1928年(昭和3年)から上海に渡り、コミンテルンの一員として諜報活動に参加するようになる。
具体的な活動内容は国内での暗躍および諜報である。
逮捕後の取調べでは、「我々のグループの目的・任務は、狭義には世界共産主義革命遂行上の最も重要な支柱であるソ連を日本帝国主義から守ること」と供述している。

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