北朝鮮のミサイル実験と同期して訪朝を重ねた研究者たちの実像

東京大学や国立研究機関で培われた先端技術が、北朝鮮のミサイル・軍事開発にどのように転用されてきたのか。再入国禁止対象となった在日技術者たちの経歴と行動を通じ、日本の安全保障に突きつけられた深刻な現実を明らかにする。

北朝鮮のミサイル実験に合わせて、複数回訪朝していたようである。
2017-04-26
以下は前章の続きである。
文中強調は私。
徐錫洪…朝鮮籍。1932年生まれ。日本名は住友清太郎。東京大学工学部卒業後、『東京大学生産技術研究所』で内燃機関を研究し、工学博士号を取得。
2サイクルエンジンの世界的権威で、1980年代半ばに、後述する徐判道と連名で『アメリカ動力機械学会賞』を受賞。
この技術を彼は、祖国・北朝鮮の軍事開発にフルに活用した。
彼が社長を務めた北朝鮮の元山にある日朝合弁企業『金剛原動機合弁会社』は、表向き農業機械用エンジンの製造会社となっているが、実はミサイルやエンジンを製造する工場である。
また徐は、2006年、無許可で人材派遣業を営んでいたとして、神奈川県警に摘発された。
彼が労働者を派遣した先は大手電機メーカーの子会社で、県警は同社のモーター製造技術を北に伝える狙いがあったとみる。
②徐判道…朝鮮籍。1942年生まれ。徐錫洪と血縁関係はないが、広島大学を卒業した後、錫洪と同様、東大生産技術研究所に勤務。専門も同じ2サイクルエンジンである。アメリカ動力機械学会賞を錫洪と共に受賞した。
1993年には、北朝鮮から『共和国博士号』を授与されている。錫洪が社長を務めた金剛原動機合弁会社で副社長の職にあったこともある。北朝鮮のミサイル実験に合わせて、複数回訪朝していたようである。メディアや公安関係者は、この2人を“徐兄弟”と呼ぶ。
③李栄篤…韓国籍。1979年生まれ。埼玉大学理学部物理学科卒。
更京都立大学(現在の首都大学東京)大学院で物理学を専攻した。『高エネルギー加速器研究機構』の研究員、大阪大学大学院で研究員を務めた後、日立系の民間企業に就職した。
注目すべきは、李がつくばの高エネルギー加速器研究機構に在籍していたことだ。
ここは、日本の物理学の分野でも屈指の先端技術を扱う研究機関である。
彼が都立大学大学院に進む際、こんなコメントを朝鮮総連系のウェブサイトに残している。
「大学院では、世界レベルの研究をし、その成果を統一祖国の繁栄に生かしていきたい」。
更に、今回の再入国禁止措置については、「北朝鮮に行ったのは高校の修学旅行が最後であり、人違いだ」と主張している。
*「まことしやかな嘘」の国の本領発揮の主張だろう*

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