終戦後の在日朝鮮人帰還の実態

終戦後、在日朝鮮人の帰還状況を政府資料に基づき検証する。大量帰還の事実とともに、調査後に帰還を選ばず日本残留を自ら選択した多数の存在を明らかにする。

2017-05-03
以下は前章の続きである。
二、終戦後、在日朝鮮人の約75%が朝鮮に引揚げたが、その帰還状況を段階的にみると次のとおりである。
(1)まず1945年8月から1946年3月までの間に、帰国を希望する朝鮮人は、日本政府の配船によって約90万人、個別的引揚げで約50万人、合計約140万人が朝鮮へ引揚げた。
右引揚げにあたっては、復員軍人、軍属および動員労務者等は特に優先的便宜が与えられた。
(2)ついで日本政府は連合国最高司令官の指令に基づき1946年3月には残留朝鮮人全員約65万人について帰還希望者の有無を調査し、その結果、帰還希望者約50万人ということであったが、実際に朝鮮へ引揚げたものはその約16%、約8万人にすぎず、残余のものは自ら日本に残る途を選んだ。
この稿続く。

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