日本の地層処分が持つ現実的な安全性
日本の高レベル放射性廃棄物処分は、ガラス固化体・多重容器・粘土遮水という多重防護によって高い安全性を確保している。反対派が用いる「10万年」という表現の誤解を、科学的減衰データから具体的に検証する章。
2016-03-16
日本の地層処分の安全性はさらに優れており、高レベル放射性廃棄物を高温で溶解したガラスに均一に溶かして、キャニスターというステンレス製の容器に詰めてガラス固化体にし、これを鉄や銅のオーバーパックと呼ばれる分厚い容器に収納したうえで地下に埋設処分する計画です。
この収納容器は地下の岩盤に開けた穴に入れて、放射性物質を吸着する遮水性の粘土を穴に詰め、万一の放射能漏れにも備えてあります。
《毒性が抜けるのは10万年後》というのは反対派が用いる常套句ですが、再処理して半減期が長いプルトニウムなどを取り除いてコンパクトなガラス固化体にすることで、高レベル放射性廃棄物は40年で1000分の1に弱くなります。
最初の40年は建物(中間貯蔵施設)のなかに保管することになっており、すでに青森県に貯蔵施設があります。
この施設では、廃棄物は空気で冷やされるため、3000年で100万分の1に減る。
この時点で、元の原料となる天然ウラン鉱石の10倍の放射能です。
手で握れるレベルまで下がる。
この稿続く。