日本の価値に目覚める知性— 「文明のターンテーブル」が生んだ共鳴 —

日本が本来持つ自由と知性の価値に気づき、
それを正面から肯定し発信する書籍が次々と現れ始めた背景を描く。
筆者は、自身の構想「文明のターンテーブル」が
多くの知性に影響を与えた確信を語る。

2016-03-28
以下は前章の続きである。
日本中の最良の知性の持ち主たちの多くが、私の書いたものを読んでくれていた。
それは私の同級生や先輩、後輩のことであるから、当然のことでもあった。
今、日本が実は素晴らしい国である事、世界で最も素晴らしい自由と知性を持った国であることに気づき、
その事を、きちんと認識して、強く、大きな声で書き出した本が、出版され出している。
それらの本の著者たちに、私の「文明のターンテーブル」というノーベル賞級の着想、発見が、
大きなインスピレーションになっていると、私は確信したのである。
その時だった。
同行者であり、日本有数の読書家でもある私の親友が、
自分が読んでいた本の、ある箇所を読んでみてくれ、と言った。
私は日下公人さんの本に没頭していたのだが、
中断して、差し出された本を読んだ。
それは日本人の目を覚ます痛快35章であった。
著者は高山正之である。
私は本当に驚いた。
なぜなら当時、大江健三郎の『沖縄ノート』に端を発し、
彼が非難し断罪した日本軍人の遺族から、
不当で誤った記述による名誉毀損として提起された裁判が、
どうなったのだろうかと考えていたからである。
友人が示した箇所は、まさにその問題を扱った章だった。
その章を読み終えた私は、「大江は最低やな」と率直に言った。
なぜならその時、大江と朝日新聞社が弄した詭弁は、
一昨年八月の謝罪会見後、第三者委員会を使って朝日が繰り出した詭弁と、
本質的に全く同じものだったからである。
それは本来受けるべき厳しい結果、
すなわち廃刊という結末から逃げるために弄された詭弁と、
全く同一の構造を持つものだったのである。

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