高山正之という存在が証明するもの—日本は「文明のターンテーブル」が回る国である—

戦後世界で唯一無二のジャーナリスト・高山正之の存在そのものが、日本が知性と文明の循環を保つ国であることを証明する。『日本人の目を覚ます痛快35章』を通じて、朝日新聞と大江健三郎をめぐる歴史認識の歪みを検証する。

2016-03-29
以下は、昨日言及した、今、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである**高山正之の『日本人の目を覚ます痛快35章』(1,000円)からである。
私は申し訳ない事に、昨年、初めて彼を知ったのだが、彼が日本に存在していたことは、日本が「文明のターンテーブル」が回っている国であることを証明している事例の、紛れもない一つである。
題字以外の文中強調は私。
第2章 大江健三郎と朝日新聞社の奇妙な連携。
「日本の復活」を喜ばない朝日新聞と松本健一の愚。
―中国と朝日はかつてAPECを支持したのに最近はなぜ腐すのか。
評論家の松本健一氏は、著書『日本の失敗』の中で、日本嫌いの人種差別主義者ヘンリー・スチムソンの発言だけを根拠に「日本は侵略国家だった」と断じている。
動かない証拠がその30年代初頭の満州事変で、日本は満州に傀儡政権を樹立し、それを足場に支那を制し、ソ連の共産主義に対抗しつつ「英米の帝国主義に超越せんとするファシズム革命への一歩を踏み出した」(同書99ページ)としている。
それって田中義一首相が天皇陛下に世界征服を進言したという、あの「田中上奏文」とほぼ同じではないか。
しかし「田中上奏文」の中には、とっくに死んでいる山県有朋が意見を述べていたり、田中首相自身が朝鮮人のテロリストに襲われた場所を間違えたりしている。
要するにすべて出鱈目。
中国人が日本の評判を落とそうと捏造したインチキ文書で、北京の社会科学院の院長も、つい先日「そんな文書は存在しなかった」という趣旨の発言をして捏造を認めた。
しかし松本氏は、その捏造文書と同じ荒唐無稽な話を、「スチムソンがそう言っている」からという理由で、「日本は侵略国家だ」と決めつける。
そして米国は満州事変を見て軍事的脅威としての日本を封じ込めに出て、ついには侵略国家・日本が米国と戦うことになった、という風に、これまた史実のように述べている。
それでは、満州事変に先立つこと40年、セオドア・ルーズベルトが「日本を制するためにハワイの島々に星条旗を何十本も立て、大西洋と太平洋を結ぶ運河を建設しなければならない」と、戦略家アルフレッド・マハンへの手紙で対日戦略構想を明かし、実際にハワイ併合、フィリピン植民地化、パナマを騙し取って運河を造った事実はどう説明するのか。
しかもこの日本敵視策は、ウッドロー・ウィルソン
、さらにフーバー政権の国務長官
ヘンリー・スチムソンを経て、フランクリン・ルーズベルト**にまで途切れることなく引き継がれていったことは、少し歴史を勉強した高校生でも知っている。
ちなみに民主党のフランクリン・ルーズベルトは、共和党政権の国務長官だったスチムソンを、わざわざ陸軍長官に迎えた。
「彼が日本嫌いだった」という一点で評価し、日米開戦を期待して対日外交を行わせたのである。
この稿続く。

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