虚構に乗った大江健三郎――検証なき想像力が生んだ『沖縄ノート』の罪

現地調査も事実確認も行わず、虚構「鉄の暴風」に依拠して書かれた『沖縄ノート』。大江健三郎が貧弱な想像力と憎悪表現で物語を膨張させ、日本軍と隊長を断罪した手法を批判的に検証する。

2016-04-02
以下は前章の続きである。
しかし大江は現地に行きもせず、話の真偽もたしかめず、関係者に話も聞かずに、この作り話に乗って『沖縄ノート』を書いた。
ただ真似ただけなら、「他人の著作を剽窃しました。朝日新聞の記者もやっているから問題ないと思いました」といった言い訳で済んだかもしれない。
しかし彼は、貧相な想像力と語彙で元の話を膨らませ、二人の隊長と日本軍をひたすら憎々しげに描き上げた。
彼は二人の隊長を「屠殺者」と罵り、いつものように日本軍をヒトラーに擬した。
そして、赤松隊長らはユダヤ人大虐殺を指揮したアイヒマンと同じだとして、「アイヒマンと同じように拉致してきて沖縄の法廷で裁き、処刑してしまえ」とまで書いている。
彼はこれを一九七〇年に出している。
七〇年安保闘争の年である。
時代に素早く迎合する小賢しさはある。
その賢しさの十分の一でも、なぜ自分の筆に生かさなかったのか。
この稿続く。

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