「国連」という誤訳が生んだ日本特有の国連信仰

日本における過剰な国連信仰の出発点には、「United Nations」を「国際連合」と訳した誤訳があった。国連は超国家的権力機関ではなく、主権国家が自国利益を主張する場にすぎない。その現実を、拉致問題決議の顛末を通して明らかにする。

2017-06-27
以下は前章の続きである。
不透明な国連機関
こうした国連信仰の出発点には日本独特の国際連合の名称の誤訳があった。
国連の本来の英語名はUnited Nationsである。
たがいに連合した複数の国家という意味なのだ。
その言葉の主体はあくまでも国家である。
だから直訳ならば「連合国家群」とか「連合国」となる。
現に中国でも台湾でも国連は「聯合国」と称される。
ところが日本語訳の国際連合だと、いかにも国家が集まった上部に君臨する超国家の国際組織を意味するように響く。
だが現実には国連はあくまでも主権国家が集まって協議をする場所なのだ。
主役は個々の国家なのである。
その国家を服従させる「国連」というスーパー機関ではないのだ。
だから国連は各国が運営し、その各国がそれぞれ自国の主張を都合よく打ち出す舞台にすぎないのだ。
国連人権理事会も各国の独自の人権に関連する自己主張、自益追求の場となる。
そのメンバーには中国やベトナム、キューバ、イランなど人権弾圧傾向の諸国が必死になって座ろうとする。
自国の人権問題をこの理事会が糾弾することを当事者の側にあって阻もうとするのだ。
日本もこの国連人権組織にはひどい目にあったことがある。
2003年4月、当時は国連人権委員会と呼ばれた同組織に日本政府は北朝鮮による日本人拉致事件の解決を求める決議案を提出した。
北朝鮮の人権弾圧はあまりに明白であり、国連が人権擁護の立場からその北朝鮮を非難することは自明にみえた。
ところが委員会加盟の53ヶ国のうち拉致解決を求める決議案に賛成したのは半分ほどの28ヶ国にすぎなかった。
中国、ロシア、ベトナム、キューバ、マレーシアなど10ヶ国が反対票を投じていた。
インド、パキスタン、タイなど14ヶ国が棄権し、韓国の代表は投票のためのボタンを押さず、欠席とみなされた。
日本国民の悲願の拉致事件解決にさえ賛成しない国が多数というのが国連の人権への取り組みの現実なのである。
日本の国連信奉は片思いだったともいえよう。
そのうえに国連の腐敗も根深い。
この稿続く。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください