《私の名はミミ》が連れ戻した高校生の日々――ラ・ボエームと記憶の深層

プッチーニ《ラ・ボエーム》「私の名はミミ」をきっかけに、NHK-FMでクラシックに没頭した一年、高校時代の苦しい日々、レナータ・テバルディのLP、ムゼッタのワルツ、千住真理子の演奏会、初めて聴いたストラディバリウスの響きが重なり合う。音楽が人生の深層に刻んだ記憶を静かに辿る回想録。

発信日:2026年1月16日

今、作業をしながら、厳選クラシックチャンネルを追っかけ再生して視聴している。
プッチーニのラ・ボエーム《私の名はミミ》が流れて来た。
なんという懐かしさだろうと私は思った。
私は、既述のように、毎日、朝から晩までNHK-FMでクラシックを聴いていた1年間がある。
なけなしのお金をはたいて、当時、マリア・カラスと並び称されていた、豪華箱に入ったレナータ・テバルディの《ラ・ボエーム》のLPを購入した私は、毎日のようにそれを聴いていた。
私が一番好きだったのはムゼッタのワルツだったが。
経営者として仕事をしていた頃に親しかった大手不動産会社の部長が、
「キサラさんは音楽が好きでしょう。弊社がクリスマスに千住真理子のコンサートをシンフォニーホールで顧客への感謝祭として開催します。よろしければご招待したいのですが」
と言ってくれた。
「喜んで」
それが、長いブランクの後の、私にとってのクラシック演奏会参列だった。
とても素晴らしい時間だった。
私は、あの時、聴きながら、一冊の本のあらすじが走馬灯のように浮かんでいた。
アンコールで彼女が弾いたのが、♬ムゼッタのワルツ♬だったから、猶更、素晴らしい演奏会だったのである。
因みに、ずっとピアノ党だった私が、ストラディバリウスを生で聴いたのは、あの日が最初だった。
実に、素晴らしい響きに感嘆した。
厳選クラシックチャンネルには本当に感謝する。
なこさんも称賛に価する女性である。

この投稿の為に、YouTubeを検索して添付し、聴きだした私は感涙を禁じえなかった。
当時、私は、彼女はカラスよりも素晴らしいと感じていた。…今は、二人は双璧、甲乙無し、声色…声質が違うだけと考えている…
彼女の見事な響きが一瞬にして、私を高校生時分に戻したからである。
あの、実は家庭的な不幸が、とても苦しかった時期の高校生時分の私が、倉庫を改造して作った勉強部屋で、あのLPを毎日のように聴いていた、その日々が、突然、蘇ったからである。

https://www.youtube.com/embed/u2F_eNmNpX0

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