「黒幕は米国だ」――反米扇動が示す中国の動員装置と歴史の連続性

2016年9月、産経新聞の記事は、中国で起きた反米抗議行動の実態と、その背後で官製メディアが民衆の怒りを誘導する構図を具体的に示した。南シナ海仲裁裁定を契機に、KFCやマクドナルドなど無関係な米系企業が標的となった事実は、文化大革命期から続く動員と扇動の連続性を世界に突きつけている。

2016-09-11
私は、今の日本で事実を伝えているのは産経新聞だと言及して来た。
以下は、私の論説の正しさを100%証明している記事である。
この短い記事でも初めて知った事実が幾つか在る事を、私と同様に、世界中の人たちも知るはずだ。

「黒幕は米国だ」入店阻止。

「米帝国主義を打倒せよ」。
7月17日の午後。
中国北部、河北省唐山市のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店の前に集まった男女約60人が連呼した。

「米国製品を食べることは、私たちの先祖の顔に泥を塗ることだ」。
と書かれた横断幕を掲げ、店に入ろうとする者には「お前はそれでも中国人か」と説教して阻止した。

「いつ暴力を振るわれるか分からない怖さがあった」。
店の関係者はそう語る。

抗議の端緒は、南シナ海の領有権をめぐり、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が7月中旬に下した裁定だ。
訴えたフィリピンの主張がほぼ認められ、事実上、中国の全面敗訴だった。

抗議に参加した白タク運転手は電話取材に、ラジオで私たちの領土が奪われたと聞いた。
腹が立って仕方がない。
と話した。

KFCへの営業妨害は愛国行動だと言い放った。

抗議はマクドナルドや、米自動車大手フォードの専売店などの米系企業にも広がった。

フィリピンではなく、直接関係のない米系企業が対象となったのは、中国の官製メディアが裁定の黒幕は米国だとする反米キャンペーンを展開し、民衆の怒りを誘導したからだ。

「全世界の人民は団結して、米国侵略者とそのすべての手先を打ち破ろう」。
文化大革命期の1970年5月20日、毛沢東が発表した声明の一節が、仲裁裁定後、インターネット上に書き込まれた。

もともとの声明はベトナム戦争に介入する米国を批判するものだった。

文革を支持した紅衛兵たちは、当局の宣伝にあおられ、外国人や外国関連施設を標的に多くの襲撃事件を起こした。

最も有名なのは1967年8月、当時は英国の植民地だった香港での中英対立を発端に、約1万人が北京の英国公館に突入して放火し、英国人外交官に暴行を加えた事件だ。

中国共産党の古参幹部によれば、外国の外交官らへの嫌がらせは一般的に行われており、北京の事件について当時の人民日報は、義憤に駆られた行動として紅衛兵らを擁護する記事を掲載した。

当局はかつて外国の在外公館が立ち並んだ通りを反帝路。
ソ連大使館前の通りを反修路と名付けた。

この稿続く。

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