百年続く共産主義の脅威 — 日米離間工作と現代日本の安全保障
本稿は、中西輝政の論文を軸に、日中戦争から日米開戦、そして現代に至るまで連綿と続く共産主義勢力の「日米離間」工作を検証する。
中国・北朝鮮・ロシアというネオ共産主義勢力の連携、沖縄や韓国を舞台にした反日・反米工作、そして米議会報告書が明らかにした中国の対日米韓分断戦略を通じて、日本が直面する安全保障の本質を明らかにする。
この議会報告書では、共産中国が韓国を歴史問題で扇動して反日世論を高め、日米韓の関係に楔を打ち込もうとしてきたことが明らかにされている.
2016-11-11.
高山正之が、蓮舫が台湾籍のまま北京大学に留学していた事実は見過ごせる問題ではないと喝破したことについて、私が、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである彼だからこそ指摘できたと評した理由.
そして彼に対する私の評の正しさを、京都大学名誉教授中西輝政氏の論文は余すところなく証明している.
見出し以外の文中強調は私.
前文略.
このように、尾崎は、ソ連を防衛しつつ、日本を南進させて米英と戦わせようとした自らの工作とその意図を、明確に述べている.
あの戦争の検証に、この尾崎の工作を無視することは、もはや許されない.
百年間続く共産主義の脅威.
日中戦争から日米戦に至った昭和の戦争には、もちろん多様な要因があった.
日本側の愚かな、あるいは無謀な選択もあり、英米側の責任を問うべき行動も存在した.
しかし、各国の共産主義勢力による日中戦争の拡大工作、そして日米開戦工作が、実際の開戦の二十年以上前から執念深く行われていたことも、疑いなく存在していた.
にもかかわらず、その事実は戦後日本の歴史家たちによって、ほとんど議論されてこなかった.
話は飛ぶが、現在、東アジアの安全保障を悪化させているのは、いわゆるネオ共産主義勢力、あるいは共産主義に根を持つ全体主義勢力である中国、北朝鮮、ロシア、そしてそれらの連携である.
だからこそ今、ロシア革命からこの百年間、共産主義が日本の歴史、とりわけ大東亜戦争に及ぼしてきた影響は、本格的に検証されなければならない.
それは、日本だけが悪者だったとか、日本の侵略によって世界の平和が失われたとする、GHQの占領政策と共に定着した自虐史観から脱却するという、単なる歴史認識の問題にとどまらない.
それは、中国、北朝鮮、ロシアによって圧迫されている現代日本の安全保障そのものの問題である.
日本が今後誤りなき選択を行うためにも、ネオ共産主義諸国の戦略の本質を見極めねばならず、そのためには、過去に共産主義陣営が何を行ってきたのかを知ることから始めなければならない.
これまで見てきたように、それはまず何よりも日米の離間であった.
日米を戦わせて日本を弱体化させ、革命を起こす、あるいは自陣営に取り込むという、レーニンやコミンテルンの戦術に沿った幾重もの工作によって、日米戦争は現実化した.
戦後も、共産中国による日米離間工作は休むことなく続いてきた.
日米同盟を無力化し、アジアからアメリカの影響力を排除し、自らが覇権国となるためである.
六〇年安保闘争に共産中国が深く関与していたことは、『別冊正論15号』の拙論で詳述した.
また、昭和三十年代以降、沖縄の祖国復帰運動を米軍基地撤去闘争へと変質させる工作が行われてきたことも明らかになっている.
そして現在でも、中国が沖縄で反米工作を続けていることは、産経新聞ワシントン駐在客員特派員である古森義久が紹介した米国議会報告書によって明らかにされている.
この議会報告書では、共産中国が韓国を歴史問題で扇動し、反日世論を高め、日米韓の関係に楔を打ち込もうとしてきたことも示されている.
現在の日本は、日米同盟をさらに深化させる以外に生き残る道はない.
私は対米従属論者ではないが、日本一国でネオ共産主義陣営の覇権主義に立ち向かうことは不可能である.
現状を放置すれば、やがてネオ共産主義陣営が世界の覇権を握り、アメリカの国益にも甚大な影響を与える.
その現実を米国世論に訴え、日本、そして他の自由民主主義諸国とともに、ネオ共産主義陣営に立ち向かうよう導いていかねばならない.
共産主義の脅威は百年間続いてきた.
その影響の検証は、今後の日本の生存にとって不可欠である.
この稿続く.