「リメンバー・トーキョー」――原爆と無差別爆撃を問う声が黙殺された日
原爆投下と無差別爆撃を戦争犯罪として問い直す米国市民のデモが、日米両国のメディアによって完全に黙殺された事実を検証する。
ところが、翌日の新聞はアメリカ、日本共にまったくデモにはふれていませんでした。
2016-12-12
以下は前章の続きである。
この章を読む人たちは皆、私の論説の正しさが100%証明されている事を、ここでも知るだろう。
そもそも、民間人の大虐殺では原爆が最大規模です。
東京大空襲をはじめ主要都市の空襲でも数多くの命が奪われました。
ドイツに対する空襲も大規模でした。
それは戦争を早く終結させるために必要だったというのが定説でしたが、かなり修正されてきているようですね。
福井。
英国人のA・C・グレイリングが『大空襲と原爆は本当に必要だったのか』という本で、最大の戦争犯罪の一つは英米による日独無差別爆撃である、と言っています。
一九四三年のハンブルク空襲は最初の大規模な無差別爆撃ですが、まだ勝敗は決定していませんでした。
それでもグレイリングは、無差別爆撃は許されないとしています。
勝敗の帰趨が決まった四五年の段階では、なおさら、民間人を殺すいかなる正当性もない。
9.11とどこが違うのかと。
江崎さんがおっしゃるように、日本の戦争犯罪が蒸し返されている背景に中国の工作があるのかも知れませんが、アメリカ人の一般心理としても、原爆投下を含む無差別爆撃を正当化するためには、日本がもっと悪かったから仕方ないと言うしかないでしょうね。
江崎。
一九九一年十二月、パールハーバー五十周年の式典が真珠湾のアリゾナ記念館で行われたときに取材に行きました。
記念館の外の道路でアメリカの若者たちがデモをやっていました。
そのデモの垂れ幕が「リメンバー・トーキョー」「リメンバー・ヒロシマ」「リメンバー・ナガサキ」なんですよ。
日本の真珠湾攻撃から始まった日米戦争はアメリカが正しかったと言うけれど、もっとひどいことを東京、広島、長崎でやっている、この問題はどうなんだ、というデモだったのでびっくりしました。
彼らの考え方はどちらかといえばリベラルでした。
ところが、翌日の新聞はアメリカ、日本共にまったくデモにはふれていませんでした。
都合が悪いので報じないのでしょうが、アメリカ、この場合は、ルーズベルトとトルーマン民主党政権の戦争責任を追及する人々がアメリカにもいるんですね。
この稿続く。