「どっちもどっち」を作る戦争— ロシアのサイバー戦が狙う民主主義の相対化 —
ロシアは自国政治の優位を示せないがゆえに、米国政治の欠陥を誇張し、「民主主義はどこも同じだ」という認識を広めようとしている。
米大統領選をめぐるサイバー攻撃は、民主主義の価値そのものを傷つける情報戦であり、中国や韓国が日本に対して行ってきた工作と同質のものである。
次々と控える欧州の選挙を前に、各国が取るべき対抗戦略が問われている。
自分たちの政治がいかにすばらしいかを強調できないロシアは、米国の政治がいかに駄目かを示せる
2016-12-18
以下は前章の続きである。
*~*は私。
―米大統領選ではクリントン候補の民主党陣営に対するサイバー攻撃が起き、米政府はロシアが関与したと断定しました。
「サイバー攻撃は国際的な政争の具にもなっている。
当選したトランプ氏は選挙期間中に一時、結果次第で訴えるという内容の発言をして、米国の政治が混迷する可能性もあった。
こうした試みは米国や欧州諸国が重視する民主主義の価値を傷つけるのが狙いだ。
自分たちの政治がいかにすばらしいかを強調できないロシアは、米国の政治がいかに駄目かを示せる状況を作って『どっちもどっち』という評判を広めようとしたようだ。
*これは中国や韓国が日本に対して行う工作そのものでもあるだろう*
来年はフランスで大統領選と議会選、ドイツで議会選など欧州で選挙が相次ぎ実施され、混乱の懸念は残る」
-サイバー攻撃にはどう対応すべきでしょうか。
「米英も中ロと同じくサイバー分野で防衛だけでなく攻撃する能力を持っている。
英国の場合、サイバー技術を使った情報収集を外務省に属する政府通信本部(GCHQ)が担当し軍と緊密に連携して活動している。
ロシアが国益上深刻な打撃を与えるサイバー攻撃を仕掛けてきたら、直ちに同様の手段で報復する体制を整えるべきだとの議論も国内で出ている」
「ロシアや中国と一種のコンバット(戦闘)を展開しているサイバー空間で優位に立つため、我々も優れた技術や道具を持つ必要があるのは当然だ。
米英のほかドイツ、フランスもサイバー攻撃の脅威にさらされているという判断から多くの予算をサイバー防衛に投じている」
この稿続く。