習近平の権力集中は中国の焦りの裏返し。—一帯一路と中国経済三重苦の実相。
習近平による権力集中は、中国経済の停滞と焦りの表れである。
構造改革の遅れ、不動産投資の後遺症、人民元国際化の停滞という三重苦のなか、中国はAIIBや一帯一路で外部に活路を求めている。
独裁体制と市場経済の乖離から中国の将来を読み解く論考。
10月の共産党大会で示された、習近平による権力集中は、中国の焦りの裏返しです。
2018-01-12。
以下は前章の続きである。
そもそも、ユーラシア大陸の物流は、95%が船による輸送です。
いずれ、アジアとヨーロッパは北極海ルートで繋がれるので、費用がかさむ鉄道輸送の失敗は目に見えています。
一帯一路には極力関わらない方が得策でしょう。
10月の共産党大会で示された、習近平による権力集中は、中国の焦りの裏返しです。
現在、中国経済は三重苦に悩まされています。
安定成長型の経済へ移行するための構造改革(国営企業の民営化)は滞り、リーマンショックを受けて投入した巨額不動産投資の後始末も残っており、人民元の国際化も進んでいない。
国内経済が芳しくないから、AIIBや一帯一路構想で外へ活路を見出そうとしている。
中国を観察する上で重要な視点は三つあります。
第一に、中国は共産党による独裁国家だということ。
第二に、中国人は超個人主義者であること。
第三に、中国人に国家観はないということ。
この三つの視点から中国を眺めれば、共産党による独裁は、経済の衰退とともに崩壊することが理解できます。
現在、共産党が死守する独裁政治体制と国民が求める自由な企業活動に乖離が生じています。
中国人は個人主義で国家観がないから、自分が儲けることができる限り、共産党独裁であろうと軍閥割拠状態であろうと関心が無かったのですが、今や儲けることが困難になりつつある。
中国を一つの国家として考えると見誤ってしまう。
現時点で共産党の正当性を支えているのは、経済しかありません。
その経済が衰退すれば、共産党に忠誠を誓う国民など皆無に等しい。
この稿続く。