中国の軍事的威圧は新段階へ—尖閣侵入と爆撃機飛行が示す現実
中国海軍艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域に侵入し、中国国防省は自衛隊監視を名目にその行動を正当化した。
さらに2017年には中国戦略爆撃機が紀伊半島沖を飛行し、日本の一般市民に対する軍事的威圧を示した。
石平氏の論考は、中国が尖閣問題を軍事レベルへ引き上げた現実を明確に指摘する。
ところが、今回の一件で非常に深刻だと思うのは、中国は軍事力を前面に押し出してきたのです。
2018-01-28
石平さんは1962年に中国四川省成都に生まれ、北京大学哲学科卒業後、四川大学哲学科講師を経て、88年来日。95年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了した。
神戸大学で研究生活を送っていた時分、友人に誘われて嵐山を訪れた時に、日本と正法眼蔵し、日本人と結婚、2007年、日本に帰化した人である。
嵐山は私が最も好きな場所の一つで、一昨年は、1年間に100回は訪れた。
私と石平さんが、一昨年、紅葉が見頃に成った日の東福寺で邂逅した事は既述のとおり。
私は石平さんに非常に近しい感覚を抱いているし、敬愛もしている。
彼の書く論文は日本国民全員にとって必読の書である。
以下は月刊誌WiLLに掲載された彼の論文からである。
広辞苑「台湾は中国の一部」は大ウソ
石平
中華文明圏の害毒から離れた日本と台湾が習近平独裁と対抗できる
習近平独裁体制
2018年1月10日から11日、中国の潜水艦と軍艦が尖閣周辺の日本の接続水域に侵入してきたことは、大変衝撃的な重大事件でした。
尖閣諸島は日本固有の領土です。
野田佳彦政権時の2012年、尖閣諸島を国有化しましたが、それ以後、尖閣諸島周辺で、日本と中国は対峙し続けてきました。
中国は海警局を、日本は海上保安庁を出動させた。
いわば沿岸警備隊同士の対立でした。
ところが、今回の一件で非常に深刻だと思うのは、中国は軍事力を前面に押し出してきたのです。
れっきとした海軍でしょう。
さらにショックを受けたのは、中国の国防省の会見での回答で「自衛隊の艦船が尖閣諸島に侵入したので、監視するために入ったのだ」と主張した。
堂々と尖閣諸島の接続水域に侵入したことを認めたのです。
しかも、日本の自衛隊に対する追跡であったと明言しています。
本来であれば、尖閣諸島の周辺水域は日本の領海ですから、自衛隊が入ろうが、入るまいが、中国はまったく関係がない。
しかし中国は、自衛隊艦船に対する「監視」を明言したことによって実質上、尖閣をめぐる日中の争いを軍事レベルにまで昇格させたのです。
今後、中国は軍事力を背景に日本と尖閣問題を争ってくるでしょう。
もう一つ重要な事件が2017年8月に起こっています。
中国の戦略爆撃機6機が紀伊半島沖を飛んだ。
紀伊半島周辺には米軍基地があるわけでもなければ、自衛隊の大規模な基地があるわけでもありません。
そのかわりに、多くの一般市民がすむ京阪神があります。
中国爆撃機の行動は、一般市民に対するあからさまな軍事的恫喝です。
中国の強硬姿勢の背景に何があるのか。
この稿続く。