慢性デフレが削ぐ国力—田村秀男が警告する日本経済衰退と脱却の分岐点
平成バブル崩壊後の失政により日本は慢性デフレに陥り、国力は長期的に萎縮を続けている。
田村秀男の分析をもとに、明治維新以降の国力推移と中国台頭の現実を比較し、2018年を脱デフレと国家再生の転機とする必要性を論じる。
しかし、平成バブル崩壊後の失政のせいで慢性デフレに陥り、国力は萎縮を重ねていく。
2018-01-29。
以下は月刊誌HANADA今月号の巻頭に掲載されている田村秀男氏の連載コラムからである。
読者はご存知のように、私が彼を知ったのは4年前の8月以降のことだが、日本の新聞界、或いは言論界で、本当に経済を知っているのは彼だけであると言っても過言ではない。
見出し以外の文中強調は私。
2018年は脱デフレの好機。
今年、最大の焦点は長年の宿痾、慢性デフレからの脱却の成否である。
昨年末までに消費者物価、需給ギャップ、有効求人倍率は昨年後半からの改善傾向が定着、順風満帆というわけだが、気になるのは、物価安定目標、インフレ率2%の達成に政府、日銀とも及び腰で、デフレ圧力を呼び込む政策しか考えない官僚がその隙につけ込むことだ。
安倍政権は脱デフレこそが政治、安全保障を含む日本再興の鍵であることを再確認し、経済拡大循環の道を明確に示して、財政、金融の両輪をフル回転させるべきだ。
折しも、今年は明治維新150周年。
日本の国力が他の主要国と比べてどう推移してきたのかを振り返ってみる。
英国の経済学者、故アンガス・マディソン教授は、購買力からみた実質国内総生産(GDP)の歴史的推移を試算している。
それを国力と見做すと、維新後の1870年の日本の国力は英国の25%、中国の13%と極東の経済小国に過ぎなかったが、1930年にはそれぞれ48%、43%と躍進している。
「坂の上の雲」を求める国民性が国力の躍進をもたらし、日清、日露戦争、第一次世界大戦を乗り切ったのだが、1940年当時、日本の5倍近い経済規模の米国との太平洋戦争で惨敗、国力の5割を失った。
しかし、奇跡的な戦後復興を成し遂げ、1970年には対米33%、対英169%、対中159%となった。
しかし、平成バブル崩壊後の失政のせいで慢性デフレに陥り、国力は萎縮を重ねていく。
中国のほうは1970年代末に始まった改革開放路線によって浮揚し始め、85年にはバブル崩壊の日本と国力が逆転し、2008年には日本の3倍と大きく飛躍した。
2008年9月のリーマンショック後、行き場を失った巨額のドル資金を吸収して2ケタの高度成長を実現したあと、12年秋に党総書記に就任した習近平氏が対外膨張路線に転じ、アジアでの日本の影響力一掃に邁進している。
日本の衰退が続くなら、日中の国力比が明治維新当時まで戻るまでに時間はかからないだろう。
それを感じ取る韓国は、いまや中国の属領と化し、中国の後ろ盾を持つ北朝鮮は日本への核ミサイル攻撃を嘯く始末だ。
この稿続く。