本稿は、産経新聞論説委員長・榊原智氏の論説をもとに、衆院選が単なる政権選択ではなく、中国による台湾侵攻の可能性が高まる時代における日本の安全保障の方向性を決定する選挙であることを明らかにする。
高市首相の台湾有事発言に対する中国の激しい反発は、日本の対中抑止が実際に機能している証左であり、首相選択が日米同盟と日本の存立を左右する重大問題であることを提示する論考である。


以下は、2月4日に掲載された、産経新聞論説委員長、榊原智の論説からである。
日本国民のみならず、世界中の人たちが必読である。
対中抑止を左右する首相選択選挙  
衆院選の影の主役は「中国」である。 
メディアは今回珍しく、外交安全保障を主要な論点にあげている。ただし、メディアが舞台の議論は甘すぎる。 
産経新聞が主張(社説)で繰り返し強調してきたことがある。
今回の衆院選は台湾有事が懸念される危機の時代に日本の舵取りを担う首相選びである、という点だ。
選挙の結果、誰が首相に就くかで日本と国民の安全の度合いは大きく変わる。
中国は1月26日、国連安全保障理事会で、昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を非難した。
傅聡国連大使は「高市首相の台湾に関する謬論は中国の内政忙粗暴に干渉し、日本が敗戦国として必ず履行すべき国際義務に背き、国際秩序に公然と挑戦している」と発言した。 
日本の山崎和之国連大使が 「根拠のない発言をしたのは遺憾だ」などと反論したのは当然だが、、日本国民は、中国の異常な反発の意味合いを深刻にとらえたほうがよい。
在日本の中国大使館は昨年11月、日本が「侵略政策に向けた行動」をとれぱ「(中国は)直接軍事行動を取る権利を有する」とxへ投稿し、恫喝している。 
執拗な首相発言批判は、習近平国家主席の中国が台湾を軍事的忙制圧したり、武力で威嚇して併合したりする選択肢を決して放棄していない証しだ。
台湾有事を巡り日本が集団的自衛権を行使して米軍を助けることが中国にとり極めて不都合だから金切り声をあげている。 
これは首相発言が抑止外交として効果をもたらしていることを意味する。
中国発の戦争勃発を抑え込むには、日米の守り合う意思と態勢を示し続けなければならない。 
首相発言は、中国が軍事的に台湾を海上封鎖し、これを解こうと来援した米軍に対して武力行使するケースが、存立危機事態になる可能性があるという趣旨だった。 
高市首相は衆院選公示前日の26日、テレビ朝日番組でさらに詳しく説明した。
重要だからほぼ全文を示したい。  
「中国と米国が衝突したときに日本が軍事行動を起こす話ではない。台湾と日本の距離は東京から熱海くらいだ。そこで大変なことが起きたとき、私たちは台湾にいる日本人や米国人を救いに行かないといけない。そこで共同行動をとる場合もある。共同行動している米軍が攻撃を受けたとき、日本(の自衛隊)が何もせずに逃げ帰ると日米同盟が潰れますから、あくまで法律の範囲内で、起きている事象を総合的に判断しながら対応するということだ」 
首相が語る内容は当たり前の話に過ぎない。
これすらできないとすれば、日米同盟の維持は叶わない。 
日米同盟を捨てれば、日本はすぐさま、中国、ロシア、北朝鮮という反日的で核武装し、連携を強めている専制国家の群れを前に一国で立ち尽くすことになる。 
要するに、中国が高市首相の発言撤回を叫ぶのは、日本の安全保障の根幹部分へのあからさまな「攻撃」なのである。
衆院選でも首相発言を批判してやまない共産党、れいわ新選組、中道改革連合といった日本の左派勢力は、平和を追求しておらず中国に呼応しているようなものだ。 
日本が首相発言の撤回、すなわち対中抑止の試みを放棄すれば、同盟国米国は日本人に失望し去っていくだろう。 
それを衆院選で選択する自由は有権者にないわけではない。
ただしそれは台湾有事の恐れ増大という重い代償を伴う。
中国が日本の尖閣諸島 (沖縄県石垣市)を「台湾省」の一部とみなしている点も忘れてはなるまい。       
(論説委員長)


歴史は、怯えた国家ではなく、立ち上がった国家を記録する。

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