揺らぐ日米韓協力の前提—韓国の対中認識と同盟観

日米韓協力を前提に「重要」とされてきた韓国の位置づけが、対中認識と米韓同盟観の揺らぎによって変化している現実を検証する。
韓国エリート層の対中恐怖意識と、対中戦略における日米との距離感を考察する安全保障論。

2019-01-12
日本にとって韓国が重要な国であるとされてきたのは、東アジア地域における日米韓協力の枠組みを前提にしての話である。
以下は前章の続きである。
中国怒らせたくない。
4、5年前、韓国駐在経験のある知人の外交官から「韓国について考えたことをまとめた」という論文をもらった。
そこには、彼が韓国で体験したことへのこんな驚きが記されていた。
「韓国のエリートにとって韓米同盟が外交安全保障の基本であるということにコンセンサスがない」。
「韓国人の中国への諦めに似た恐怖心というのは他のいかなる国に対するものとも異なったもの」。
日本から見れば、ともに米国と同盟を結んでいるのだから、日米韓3力国が協力して台頭する中国に向き合うのは当然だと思える。
だが、彼は韓国で多くの有識者と議論した結果、こう結論付けている。
「韓国を対中戦略で日本の側、日米の側につけることは、控えめに述べても『非常に困難』」。
いわく、韓国人は「中国を怒らせるような米韓同盟の強化は得られるものより失うものの方が大きい」と考えているのだという。
日本にとって韓国が重要な国であるとされてきたのは、東アジア地域における日米韓協力の枠組みを前提にしての話である。
ところが、その前提自体も崩れてきている。
この稿続く。

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